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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『八重の桜』

会津の歴史は、かつて興味を持って本を読みあさったことがあります。

中でも印象的だったのが、落城後の会津城の写真でした。

砲弾により破壊されながらも凛然とそびえる天守閣。

それはまるで、折れず屈せぬ会津藩士の心意気を示しているかのようでした。

最前線に立つのは刀を持ち銃をたずさえた男たちですが、戦場となった城を守り戦ったのは女も同じ。

戦国時代に較べるとよほど近い歴史である会津戦の談話はより生々しく、鮮烈な情景となって眼前によみがえりました。

悲劇として語られることの多い会津藩の最期。

しかしそれ以上に悲劇であったのは、むしろ落城後の元藩士たちの生きざまであったかもしれません。

そしてそれはか弱き女ならば、なおのこと。

いまは黒船来航も遠き江戸の話、花が舞う穏やかな春風を受けて、少女が空を見上げます。

あえて「福島」を舞台に選んだ今年の大河。

残酷な敗者の歴史を、いかにして希望ある未来として描くのか、一年を通して見守っていきたいと思います。

 

『サキ』

『美しい隣人』の続編・・・姉妹編? のような感じです。仲間由紀恵は髪も瞳も黒いイメージなのですが、白衣の天使も似合っていて、ますます悪女らしさが身に着いています。

サキの生き方はまるで『白夜行』と『幻夜』の女主人公のようです。復讐相手は今回ひとりではないようだけれど、うーん、オトシドコロはどうするのかな。

 

『書店員ミチルの身の上話』

キャスティングに魅力を感じて録画してみました。30分と他の連続ドラマよりは尺が短いので、あっという間に終わってしまいました。原作が良質なのでしょうか、ツカミの引力がとても強く、「えー! 次、どうなるの!」とワクワクする気持ちになります。

こちらもあまり、ひとりの女に振り回される男たちは幸せになれない様子ですね・・・。

 

『最高の離婚』

脚本が『Mother』や『それでも、生きてゆく』の坂元裕二。初回からなかなかショッキングな展開でしたが、その2本とは違ってコメディタッチなので、肩肘はらずに観賞できそうです。

瑛太はいつからこんなに演技がうまくなったのだろう? と不思議なくらい、うっとーしー亭主役がハマっています。尾野真千子のガサツっぷりはさすがだし、綾野剛の天然と真木よう子の二面性も興味津々。誰にもそれぞれ落ち度があって(今のところ真木よう子の本性が少し謎ですが)、これからどのように物語と人間関係が発展していくのか楽しみな作品です。

見どころといえば、エンディングのエロティックなダンス。いつもはクレジットに目が行くのですが、今回ばかりは人物から目が離せません。桑田圭祐の歌も「最高」です。

 

『純と愛』(続き)

・・・まあ、なんというか、本当に「挑戦的」ですね。放送前の宣伝文句、主題歌、すべてがうわっ滑りで、今までの朝ドラとは何だったのかというくらいブッ飛んだ作品です。それが良いか悪いかはともかく。

朝ドラといえば主人公の成長物語のはずが、年が明けて舞台が変わったはずなのに主人公も周囲も誰も何も変わっておらず、平気で人を傷つけておきながら困った時だけ頼ったり、死ぬだの殺すだの刺激の強い言葉を吐いたり、「え・・・被災地への勇気は? 人と人との絆は?」と首をかしげたくなるような毎日です。たぶん、NHKが今回の朝ドラ枠でやりたい、やるべきと考えていることと、脚本家のポリシーのようなものとの間に乖離があったのかなあと。

あと二ヶ月で、朝ドラらしい着地点(判例でいえば、里やが純の力で「まほうのくに」になるとか、純と愛の間に子どもが産まれて両家和解とか、あるいは数年後純が独立して宮古に「まほうのくに」を作るとか)が訪れるとはとうてい思えませんが、これはこれで、それなりに楽しく観ています。ただ、元来朝ドラを楽しみに観ていた視聴者からは受け入れられないだろうなあ、とは思いますが。

夏菜はじめ、キャストの面々はとても良い演技をしているだけに、若干評価しづらいこの現状が少し残念です。それでも純と愛のラブラブシーンはちょっとドキドキです。

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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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