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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年も朝から中継終了まで観戦しました。

同じようにハマっている日本人は少なくないようです。あいかわらず、高視聴率ですね。

 

さて、応援していた優勝候補の駒澤大学は往路で出遅れ、総合3位に終わってしまいました。復路優勝だけに、もったいなかったです。千葉・上野が抜ける来年以降、戦力の底上げは可能なのでしょうか。

日体大の服部主将は昨年印象に残ったランナーですが、山登りに抜擢されたと聞いて最初は驚きました。しかしその走りは圧巻でした。みるみるトップを行く東洋大に追いつき、先頭を争った早稲田大を置き去りにし、記録的な強風にも負けず安定した力強いピッチを刻んで真っ先にゴールテープを切りました。最初は「こんなに飛ばして大丈夫? 瀬古さんが言うように、早大のランナーのほうが落ち着いていない?」と瀬古さんの適当な愛校心あふれる解説に騙されてしまいましたが、いやはやおそれいりました。監督は昨年レース終了後、即座に服部選手のキャプテン就任と5区担当を決断したそうですが、その慧眼たるや見事なものです。

昨年の惨敗から改革を掲げ、伏兵といえば失礼ながら、およそノーマークだったチームの一丸となって勝ち取った総合優勝。何度も胸の大学名を指しながらゴールしたアンカーの4年生の笑顔に、伝統の重みと襷にかける誇りを感じました。

 

今年も印象的な場面が多くありました。ランナーを蛇行させるほどの強風、5区では二校も棄権が出てしまいました。その山登りで新星の出現を予感させたのは法政大の関口選手。ビックリするようなめずらしい走法からまさかの疾走。久しぶりのシード獲得に、ゴール後の選手たちの歓喜が印象的でした。

早大と帝京大のゴール前の長々とした駆け引きも、興味深かったです。渡辺監督もよほど悔しかったのか、レース後の総括でちょっと皮肉を口走ってしまいましたね・・・。

「柏原が抜けたから弱くなったと思われたくない」という選手たちの痛切な声が聞こえてきそうな東洋大の総合2位も、立派な結果だと思います。しかし常勝の味を知り尽くしてしまった今の選手たちは、それでは満足できないのかな。胸を張ってゴールしてほしかったです。

毎年思いますが、上武大の監督はいつも伴走車から選手を思いやる声かけをしているのが印象深く残ります。「ありがとう」と言われた選手はきっと満ち足りた思いで襷を渡すのだろうなあ、と。ようやく箱根常連に名を連ねながらなかなかシードを獲得できません。あの監督のもとで走りたいと思う選手が増えてもいいのになあ。

 

まだ今年は始まったばかりなのに、ちょっと淋しい1月3日です。

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