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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『Oh,My Dad!!』
最初は展開が非現実的すぎて、笑えるはずの場面でもイライラしてしまうことが多かったのですが、中盤からは父性愛に目覚めた主人公の葛藤や、社員登用を目指すサクセスストーリーの要素も描かれていて、最終回にかけて盛り上がりがありました。あっさり元サヤに戻ってしまうと味気ないですが、長野と東京の別居生活が続いていると思わせる入学式の描写で、ゆっくりとこれからの家族の姿を三人で築いていくのだろうなあと思わせる抒情的なラストがよかったと思います。当初は違和感のあっ織田裕二のパパ姿も、すっかり板についていました。

『夫婦善哉』
あほな男と女が一緒になった、あほな夫婦の物語。BK朝ドラでおなじみのキャストの面々が、大正から昭和にかけてのカラッとあかるい大阪の雑多な雰囲気を醸し出していました。柳吉と蝶子は、まさに「あほ」としか形容しようのないどうしようもない夫婦。借金も貧乏もどうしようもないワガママも、とにかく喧嘩で乗り越える。テンポのよい大阪弁のセリフのやりとり、ノスタルジックな背景と音楽、涙と笑顔。4週ではなく、それこそ朝ドラで毎日見ていたいような、画面にやみつきになる秀作でした。

『八重の桜』(承前)
酸鼻を極めた会津戦争が終結し、八重には別れと新しい出会いの数々が。苦難を乗り越えた八重たちに穏やかな幸せが訪れたことをうれしく思います。尚之助さまがあまりにも素敵な旦那さまだったうえに、襄の魅力をあまり感じないまま夫婦になってしまったので、少しまだふたりの並びに違和感を抱かざるをえませんが、これからラストにかけてじっくりとふたりのモダンな愛を感じさせてほしいと思います。

『半沢直樹』
回を追うごとにうなぎのぼりの視聴率と流行語大賞ノミネート間違いなしの決め台詞が話題を席巻しました。周囲でも月曜日はこの話題ばかり。ちょっとびっくりです。個性きわだつキャラクターを熱演した俳優陣、硬軟併せ持つ展開を飽きさせないテンポでまとめた脚本、ドラマとしての質はじゅうぶんに備えていましたが、数字ほどに入りこめなかったのは、生来のあまのじゃくな性格のせいか、それとも現実では考えられない主人公の行動のせいか。上司に向かって「倍返し」なんて、ドラマだから通用するわけで、現実はといえば上司に愛想笑いし下げた頭で床を直視しながら唇をかみしめる日々。だからこそ企業人たちは、半沢の言動に爽快感を憶え毎週あこがれのまなざしを向けて自分を投影していたのかもしれませんが、悲しいかな企業人でない私は「どうせこんなことしたらクビだもんなあ」と冷めた目を向けてしまいました。だからこそ、「出世」ではなく「出向」という主人公の期待を裏切るラストカットにはボルテージがあがりました。あからさまな「続編やるよー」という終わり方は決して好きではないのですが…。TBSらしいですね。それより娘の結婚を控えて悩める岸川部長の奥さん、悩むべきは相手が金融庁の職員ということではなくオネエであることではないかと思うのですが。
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さや
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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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