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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今日観た映画「ホッタラケの島」のエンディング曲がスピッツだったのですが、やはりスピッツはいいですね。好き嫌いを別にしてバンドとしての完成度が素晴らしいのは誰でも分かるのですが、僕がスピッツを特に好きな理由は歌詞です。僕も今思えばキモいですが作詞にはそれなりに自信があったのですが、スピッツの歌詞を読んでから自分がいかに凡才かがよく分かりました。どういうところでそれが分かったのかを言いたいと思います。

まず第1回はおそらく大多数のスピッツファンはそんなに好きじゃないと思いますが僕だけが超越的に好きな曲である「稲穂」です。歌詞は以下の通りです。

 

(はじまり)

美しく実る稲穂に 愛を知る 夢も終わる頃

駆け出した 風に逆らい 夕焼けが 僕らを染めていた 

あり得ない 明日に憧れ 何度でも 無理にふくらまし

そんな日々を 軽くなでられ なんでだろう? 涙が止まらない

なんでだろう? 君から逃げられない

 

 

誰にも会えない気がしてた クジ引きだらけの街にいて

 

もうウソはつけない 無性に何か飲みたい

初めて本気でカワイイ蜂に刺された

泣き笑い ドラマよ続け 夕焼けが 僕らを染めていた

夕焼けが 世界を染めていた

ケモノになれないケモノでも 優しくされたら燃え上がる

遠い国の景色 今 君に見せたい

最後の花火を二人で打ち上げようよ

泣き笑い ドラマよ続け 夕焼けが僕らを染めていた

夕焼けが 世界を染めていた

(おわり)

 

出だしの「美しく実る稲穂に 愛を知る」でのっけからセックスを連想させます。まあいつもマサムネはエロ歌ばっかり作ってますからそれはともかくとして、僕がこの歌で好きな歌詞の一つは「無性に何か飲みたい」ですね。それまでの歌詞の流れからして、この部分で「飲む」という言葉は凡人では絶対に出てきません。僕みたいな凡人だったら「食べたい」という言葉を使うと思います。世間ではよく「女を食う」とは言いますが「女を飲む」とは言いませんからね。ただ、ここで性に対しての「餓え」ではなく「渇き」をイメージさせるところがマサムネの素晴らしさです。「餓え」も「渇き」も得られないものへの欲望や欲求の高まりを表しますが、人間は食べ物がないのと飲み物がないのでは飲み物がない方がかなり早く死にますから、「飲みたい」の方がより切羽詰まった性への欲望を表せると思います。

また、 「夕焼けが 僕らを染めていた 夕焼けが 世界を染めていた」というフレーズが2回出てきますが、「夕焼け」という言葉で連想するのは、一日が終わる無常観による人生に対する「はかなさ」や「せつなさ」だと思います。「夢も終わる頃」や「風に逆らい」などの言葉からも分かるとおりこの歌のセックスは完全に退廃的なものです。その退廃的なところを本当に上手に表しているところが、僕がこの歌の二つ目に好きなところの「最後の花火を二人で打ち上げようよ」です。ここで「花火」を使うとは本当にあっぱれです。「打ち上げようよ」と言っていますからこの花火は当然ですが打ち上げ花火でしょう。打ち上げ花火は「上がって」「落ちる」ものです。そして、「形には残りませんが、記憶には残るもの」です。退廃的なセックスを歌うにあたってラストのサビ前で使うのにこれ以上ふさわしい言葉はないでしょう。

あと、クジ引きだらけの街(くじ→平等さ→誰にでも平等に出会いのチャンスがある)なんかも言っていることは単純ですが、なかなか「クジ引き」という言葉は浮かんでこないと思います。歌詞を載せるとどうしても改行が多くなり、忍者ブログは改行したらおかしくなるのでもっと言いたいんですがこれぐらいでやめます。またさや氏からリクエストの歌があったら語ることにします。僕が好きでない歌じゃないと語りませんけど。

 

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