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姉が小学生のころからずーーーっと大事にしている赤ちゃん風のお人形は、大人になってもベッドにありました。
一方、私は、お人形やぬいぐるみにはまったく興味ありませんでした。
唯一のコレクションだったバービー人形も、ある日突然その長い髪を切りたい衝動にかられて坊主にしてしまったし(なにゆえ・・・か・・・?)。
私は親も手を焼くガサツな児童でしたが、不思議と、「あれ、どこにやったっけ」に直面したことはほとんどないのです。あれこれ集めるのは好きでしたが、捨てる時は未練なくドサッと捨てるし。
でもきっと、自分も知らないうちに「ホッタラケ」にしてきたものはたくさんあったんだろうなあ。
ということを思い返したこの映画。
卵をお供えすれば失ったものを見つけてくれるという神社で見かけた狐を追って異次元に迷い込んだ女子高生の遥。人間が「ホッタラケ」にしたもので構成された不思議の世界で、幼い頃に亡くなった母の手鏡を探すため、子狐テオとともに、鏡を狙う男爵と対決する物語。
アリスを日本昔話にリメイクしたような導入部ですが、人物が3DCGで描かれているので2Dの背景とはアンバランスです。プロデューサーが遥のスカートの長さにエロチシズムがどうとか話していましたが、ドロンジョのようなわかりやすいセクシー担当ならともかく、一応子ども向けアニメの主人公なんだから、そういう部分を強調するのは不愉快です。ぱんチラもいらない。異世界のCGはとても迫力があり、観ているだけでこちらも行ってみたくなるほどのワクワク感が満載だったのですが、普通に2Dでもよかったのではと思ってしまいます。
ホッタラケの島の世界観も今ひとつ。スタンプカードの重要性や男爵の立ち位置がよく理解できませんでした。このへんは子ども向けだからといって手を抜かないでほしいです。
が、手鏡の中での一連のエピソードはなかなか泣かされました。大人の鑑賞に耐えうる出来です。脚本は人気作家の乙一が手がけたそうですが、落としどころが秀逸です。
遥がもうひとつ「ホッタラケ」にしたのが、羊のぬいぐるみのコットン。意外な活躍を果たす彼が、競走馬のぬいぐるみに乗って果敢に戦う場面は必見です。かわいさに震えます。
俳優を声優に起用するのは基本的に嫌いなのですが、今回の綾瀬はるかは自然に馴染んで良かったです。本職とも遜色ありませんでした。
評価:★★★☆☆
~ヤスオーのシネマ坊主<第2部>~
よくある普通の少年少女が異世界に行って帰ってきたストーリーでテーマもありきたりですし、僕は両親がいまだに両方ピンピンしているうえに子どももいませんのでラストの家族をテーマにしたお涙頂戴シーンもまったく感動しませんでしたが、まあ悪くはないと思います。前回観た「インスタント沼」と違ってわりとストーリーはテンポ良く進みますし、尺も100分ないぐらいですから観てて決して退屈ではないです。ぬいぐるみの「コットン」という魅力的なキャラクターもいましたしね。「ホッタラケシアター」で最初に出会った時は主人公の遥を拒絶していたのに、ちょっと後で「本当は、僕も会いたかったんだ。」というところは不覚にも少しだけ感動してしまいました。
そしてこいつは遥を守るためにテオ以上ではないだろうかというぐらい頑張っていましたからね。昔遥にホッタラケにされたのに健気な奴です。地下世界では巨大な敵を縫い目をほどくという知的な方法で倒していましたし、ボスキャラの男爵に再度地下世界に落とされてた後も、ただのぬいぐるみとは思えないカリスマ性を発揮して何とそこの住人の大群を率いて遥を助けに来ていました。しかしこいつが男爵に引きちぎられたのは衝撃的でしたよ。明らかに子ども向きの映画で主要キャラがこんな殺され方をするとは思いませんでした。現世に戻ってきた時に何か奇跡イベントがあるかなと思いきや、まったくないですし。
主人公の遥は3Dアニメのせいか身体つきがフィギュアっぽくてエロくて良かったんですが、エロさしか印象に残りませんでした。ただ、テオに蓄音器の使い方を教える場面は和やかで良かったですね。ちゃんと後でこのエピソードは生きてきますし、ここで音楽を絡めたのはベタかもしれませんが映画としてなかなかいい味付けだったと思います。
ホッタラケの世界は雰囲気は悪くはないんですが、ちょっと作りこみが浅いですね。ホッタラケの住人と人間の関係性がどうにもよくわかりませんでしたし、遥が再度ホッタラケの世界に行けるのかどうかも説明不足です。テオがあんだけ泣いているんですから行けないんでしょうが、どうして行けないのかがよく分かりません。スタンプカードのシステムを仕切っていると思われる男爵を倒そうとしているテオに、ホッタラケの住人がスタンプカード目当てで力を貸すところも意味不明でした。というかそもそも男爵の存在が意味不明でした。何だったんでしょうかこいつは。ホッタラケの世界の支配者に見えるんですがどういういきさつで支配しているのかよくわかりませんし。そのあたりの作りこみの浅さがこの映画の中途半端な評価の原因ではないでしょうか。
評価(★×10で満点):★★★★★