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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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またまた、大逆転劇がひとつ球史に刻まれました。

 

智弁-横浜戦。

試合を観たのは終盤からですが、その数少ない打席でも次々と凡退をくり返していたので、「こらアカン」と負けを覚悟しました。

それでも、9回表には「奇跡」を信じて祈りました。

好投していた横浜の柳投手は9回を投げ切ったことがなかったそうです。一瞬、観戦しに行ったオリックス-ソフトバンク戦の摂津を思い出しました。完投を意識するとプロでも何かひずみが起こる。しかし先頭にヒットを打たれただけで交替とは、渡辺監督も思い切ったものです。次の打者まで様子を見るかと思いました。高校生には中継も抑えもないわけですし、この場面で投げさせるのは少し酷ではないかと・・・。

案の定、この大会何度もやってきた甲子園の魔物がここでもマウンドに降臨してしまいました。しかしあそこまで見事な逆転劇が起きるとは。予想を超える爆発ぶりに、歓喜するとともに、横浜ナインの心中を思うと胸がつぶれそうでした。

あきらめない気持ちが打球に乗り移る。一瞬で変わる球場の雰囲気。甲子園とは、本当におそろしい場所です。

柳投手は2年生。今日のこの悔しさは、きっと新しい夏へとつながるはずです。

 

さてさて、智弁は16年ぶり(!)のベスト8。

そう、私がアルプススタンドで観戦した小坂監督がキャプテンだった時ぶりの、8強進出です。

なんとしても勝ち抜いて、過去最高の決勝進出を!

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