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最近、めっきり本を読んでいないなと反省。
昔ほど衝動買い・乱読しなくなったせいですけど。
あまり、店頭で見つけて即買いする性格ではないのですが、
そういう気持ちからなにか新作を探している時、ふと目についたこの本を手に取ってみました。
主人公はボクシング部の高校生・弘幸。心を通じ合わせた恋人もいます。
ですが、偶然出会った男が指名手配中の殺人犯だったことから、彼の運命は急転します。
警察へ密告したために目の前で恋人を殺害され、彼は残りの人生をかけて犯人を追うことを決意します。
もうひとりのヒロインである千恵理、殺人犯の娘・祥子、
祥子に恋心を抱いたことから事件にかかわることになる俊介。
さまざまな人間模様がからみあい、徐々に明らかになっていく真実。
息をつく間も与えられず、一気に最後まで読んでしまいました。
こんな小説はひさしぶりです。
作者は少し変わった経歴の持ち主です。
せっかく入社した旅行会社を無断で辞め、そのまま失踪。
江戸川乱歩賞を取ることを決意し、ファミレスを転々としながら原稿を書き続け、
放浪すること3年、念願かなって見事に受賞した、という。
この作品の主人公、また彼が追う殺人犯も十年以上の放浪生活を送ります。
作者の実生活が反映されているのかもしれません。
ラスト、急激な展開にややついていけなくなる箇所もありましたが、
長い年月をかけて人が人を思う強さ、
羽根を広げて飛び立つ瞬間を迎える未来、
その空の色に切なくなります。