MENU | MENU | MENU | MENU | MENU | MENU |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
『サウスポー・キラー』
《このミステリーがすごい!》大賞という、小説コンテストがありまして、
第1回では『四日間の奇蹟』が大賞を獲得しています。
この作品の出来があまりにすばらしかったので、
感化されて映画も観に行きました(←イマイチでしたが)。
この『サウスポー・キラー』も、《このミス》大賞受賞作品。
タイトルどおり、野球を題材にしています。
野球好きの私ですが、野球ネタの小説は、あまり多く読んだことがありません。
東野圭吾『魔球』、あさのあつこ『バッテリー』くらいでしょうか。
前者は高校、後者は中学が舞台ですが、
『サウスポー・キラー』はプロ野球が題材です。
所属するチーム名などはもちろん創作されたものですが、
すぐに「ああ、これはセ・リーグのあそこだな」と察しがつきます。
架空のものであるとわかっていても、表に出てこないあれこれの描写は、
なかなか興味深いものがありました。
ただ、ひとつ気づいたことが。
野球の場面を文字で、しかも一人称で表現するのは、なかなか難しいことなのですね。
クライマックス、主人公が力投する場面、
迫力はありましたが、若干短かったような。
でもあれ以上書き込んだら、間延びするかもしれないし、
スポーツを小説にするのは大変なようです。
文章が粗いとか、ハードボイルドがやや中途半端とか、
いろいろ難点はあるものの、
次の作品が楽しみな作家です。
それにしても思うのは、
文章にしても、展開にしても、
『四日間の奇蹟』って、本当に優れた作品だったんだなあ。