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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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もうひとりの自分である別人格を、そうとは知らずに恋してしまった少女のお話。

と、いうイントロダクションだけ聞くと、とっても切なくて悲しくて胸にしみ入るファンタジックな恋物語・・・と想像してしまうのですが、

主演が堀北真希ということであまり期待はしていませんでした。

で、期待値どおりでした。

雰囲気としては、深紅に近いです。幼くして両親を亡くし、その時に負った心の傷をずっと癒せないでいるという要素は同じです。そういえば堀北真希も出演していました。

あれもテーマは重いのに消化できず、世にも奇妙な物語の2時間バージョンといった感じでしたが、これもわざわざ映画にするほどの出来ではなかったですね。いかんせん脚本のパンチが弱い。二重人格という重大なネタばらしも、すでに宣伝の段階であきらかになっているので驚けません。脳医学者が出てくるわりには治療のシーンもなく、本人の努力であっさり治っているし。

この作品は前半がみなとの、後半がその恋人であるシュウの視点で展開しますが、彼のキャラが弱いので、後半になるといきなりダレてしまいます。石田卓也は若者が主役の邦画には必ずといっていいほど登場しますが、恋人役としてはあまり魅力がない気がします。グミ・チョコレート・パインあたりはハマっていましたが。

と、まあ、すべてにおいてイマイチ感がぬぐえない映画でしたが、堀北真希は良かったと思います。彼女の魅力が満載でした。一途に恋をするみなとの純粋さ、愛する人に姿を見せることができないナイトの切なさ、それぞれを演じる彼女の雰囲気はうまく撮れていました(決して演技が巧いわけではないのでこういう書き方になる)。

評価:★★☆☆(2.8)

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