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警察と汚職とが切っても切れない間柄なのは、どこの国、いつの時代でも同じかもしれません。
中でもとりわけ悪徳警官がはびこっていた'60年代のNY。
こわもて警官だけれど手は一切汚すことなく、捜査の基本は地道で実直、
でも下半身はめっぽうゆるく、離婚調停中のリッチー。
ギャングでは異色の理性と頭脳で独自の麻薬取引ルートを築き、殺人もためらわぬ一方、
家族を大切にしただひとりの妻を愛するフランク。
見かけも立場もまるで正反対のふたりが、麻薬という犯罪をはさんで相対し、
生涯クロスし続ける奇縁を描いた作品です。
デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウと、大物俳優ふたりを配していますが、
実際ふたりが出逢うのはラストもラスト。
徐々に核心に近づいていく過程は緊迫もので、2時間半も短く感じました。
当初は、それぞれの持ち味からすると逆の配役のほうが似合うのではと思っていたのですが、
そのギャップがよくある警官vsギャングの構図にエッセンスを加えていて、
紙一枚で取り決められるべきではない人の善悪とは何か、
心にひっかかりを残していきます。
それにしてもこれが実話であるとは、NYはおそろしい街だったのですね。
評価:★★★★☆(3.8)
<おまけ:ヤスオーのシネマ坊主>
見ててそれなりに面白く退屈はしないので、出来は悪くないと思うんですが、まったく心に残らない映画でした。人物描写が淡泊で、人間の持つ痛みや葛藤や哀愁やその他もろもろのざらついた感情がまったく描けていないからですね。この映画は事実を基にしているみたいですから、ストーリーに何の盛り上がりもないのは理解しますから、「人間」は丹念に描いてほしかったです。フランクが仲間を制裁しようが、リッチーが自分の弁護士とセックスしようが、本当に映画の中の出来事のような気がして見事なぐらい何にも思わなかったですから。ちなみに他の登場人物なんて人間描写が浅すぎて名前すら覚えていません。
しかし、この映画は世間の評判は良いみたいですね。何が良いんですかね。これだったら僕は世間の評判が極めて悪い「ディパーテッド」の方が面白かったんですけど。あっちもまったく深みのない映画でしたが、娯楽作だと開き直っていているのか、スピーディーな展開とパワフルな演出でけっこう楽しめました。対照的にこっちはパッと見は重厚な映画っぽいのに、実はただの娯楽作なとこがいやらしいです。
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウという大物俳優二人が出ていますが、彼らにも何の魅力もなかったです。デンゼル・ワシントンなんて悪く言われにくい俳優っぽいので得してそうですが、僕はダメと言えます。古典的なギャングのイメージがないのは、僕が実際のギャングがどんな奴か知らないからいいですし、人相が悪くないのも、モデルとなった人間が悪人ヅラじゃなかったかもしれないからいいんです。しかし、僕は警官ではないですが、仕事柄法の壁を犯している人間はたくさん会って話してきました。不法組織のトップでも、僕より体も小さくて、僕より顔も優しくて、僕より人当たりも柔らかかったりします。しかし、彼らには、やはりその辺のサラリーマンにはない凄味、鋭さ、冷たさがふとした時に顔に出るんです。この映画のデンゼル・ワシントンにはまったくそういうとこがなかった。ただの穏やかなビジネスマンでした。成りあがりのギラギラしたところもないですしね。僕の相手する悪人はほぼ全員成りあがりですから、違いが良く分かります。
ちなみにラッセル・クロウが良かったわけでもないですよ。彼はデンゼル・ワシントン以上に冴えなかったです。デンゼル・ワシントンは家族思いのええ人みたいなとこはこの人らしくきちんと出せていたので、嫁はんからもらったコートのエピソードはそれなりに良かったですし。ちなみにこの映画はデンゼル・ワシントン演じるフランクと、ラッセル・クロウ演じるリッチーのエピソードを交互に描いていく構成なんですが、リッチーが映るたびに「いらんわ~、早くフランクに戻れや」と思いましたから。
評価:★3/(★5で満点)