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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年もこの季節がやってきました。

第62回正倉院展。

さ~、今年も開館から並ぶぞ~。

 

・・・と思っていたのですが、気づいたらもう9時を回っていた・・・。

あわてて支度して自転車で坂を登ると、やはり、行列。20分待ち。

団体も待ち構えているし、さらに寸前で規制をかけられ待ちぼうけ。

やっと入館・・・と思ったら、今度は目玉の琵琶の前で30分待ち。スサマジイデス。

 

今年は遷都1300年祭を記念して、代表的な名品が多く出陳されています。

その筆頭が、正倉院宝物の代名詞のような存在である、「螺鈿紫檀五絃琵琶」。19年ぶりの公開となりました。

撥受けに飾られたオリエンタルな人物や鳥、背面に咲き誇る目もあやな唐花文。細部にいたるまで隙がありません。糸巻き(転手)のダイヤ模様もかわいい。聖武天皇は実際にこれを弾いていたのか!? 眩しすぎて触るのも恐れ多いんですけど!?

じっくり見たいのはやまやまですが、ちょっとでも立ち止まると警備員にせかされてしまいます。しかもたまたま柵を乗り越え順番抜かしをしようとしたフトドキ者がいて、とばっちりを受けたかたちになりました(涙)

光明皇后が使用したとも言われている唐渡りの履物「繍線鞋」。カラフルな刺繍に、つま先の花飾りがおしゃれです。今も昔も、女ゴコロをくすぐるセンスは変わりません。

光明皇后が夫の四十九日に献納した薬物を記した「種々薬帳」。そのうち3分の1は本人の依頼どおり、病人に使用されたようです。1250年を経た今でも毒性が残っているものもあるそうで。ナウマン象の臼歯である「五色龍歯」。鎮痛効果があるそうです。先人の知恵ははかり知れませんね。

美術の時間にやったことを思い出す「吹絵紙」。紙の上に型紙を置いて、霧吹きで色をつけると、その部分だけ白く模様として浮きあがる、というやつ。天平にしてはメルヘンチック。色布を重ねた古代のいろがみもかわいらしい。

もうこのあたりですでに2時間経過。体力の限界が来たので、文書類はチラ見で帰りました。今回は経典類の貸借記録だったようです。あ、ミュージアムショップでお香(天平のさくら&かほり)は忘れずに買っていきましたけれど。

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