冬の情景

ずいぶん寒くなりました。

クリーニングから返ってきたまま、ほったらかしにしていたコートを出しました。

 

乾燥と、洗濯物がかわかないのをのぞけば、夏より冬の方が好きです。

街の雰囲気も、ファッションやコスメの色目も、冬の方が落ち着きますし、

寒いのも割と平気です。

 

でも休日は、こたつでごろごろ。

茶葉をとっかえひっかえしながら何杯も紅茶を飲み、雑誌をめくる。

膝の上で、丸くなるマイ。

シュンシュン音を立てる石油ストーブのやかん。

私の冬はそんな日常でした。

 

実家には、私が物心ついた時から使っている古い石油ストーブがありました。

暖房に湯沸しに焼き餅、大活躍の働き者でした。

そのそばでうたたねするのが大好きだったミーコ。

ひげがちりちりになるくらい接近し、体はもうすぐ焼き豚になりそうなほど熱くなっているのに、

まったく動こうとしない寒がり猫でした。

ストーブの前でお座りしたまま、頭があっちへぐらり、こっちへぐらり。

ハッと目を覚まして座り直すけれど、またぐらぐらり。

よく母とふたりで、指さして笑っていました。

 

でも、そのストーブはついに壊れてしまいました。

ミーコも、もういません。

 

今年はちょっぴり切ない冬になりそうです。