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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『のだめカンタービレ』

オーケストラには、まったく縁がありませんでした。

聴きに行こうと思ったこともありません。

「眠くなる」や「ドレスとタキシード」や「敷居が高い」といった、貧困なイメージしか持ち合わせていませんでした。

さて本題の『のだめ』ですが、主人公はピアノ科なのにオケ中心に話が進んでいます。

原作は読んでいないのですが、クラシックに疎い私にもその世界、とくに楽器ひとつひとつが魅力的で、

コントラバスやティンパニーやオーボエをやりたくなってしまいました。

のだめがピアノを弾く場面なら「ピアノ弾きたいー」って思ってしまいますし、単純です。

指揮はしたくないですが。

Sオケが解散する場面は、見ていて少し切なくなりました。

演奏会が終わって打ち上げでお酒を飲んで、宴が終われば、

冬の青空のようなすがすがしい淋しさとともに、仲間たちはそれぞれの道へ。

終わりにはつねに始まりがともなうことを、私も感じていました。

原作ファンから観ても割とそつない出来のようですね。

月曜の夜、気楽に笑いながら観ています。

 

『14才の母』

14才の妊娠・出産、リアルタイムには知りませんが、金八先生のエピソードと重ねる人が多いようです。

あの話はどう展開して決着をつけたのかは知りませんが、

私の観ていたシリーズでは、杉田かおると鶴見辰吾は結婚して子どももちゃんと成長していました。

しかし、現代はそう簡単にいきません。

おそらくこのドラマ、主人公に感情移入しないといけないんだろうとは思いますが、

いつも主人公の母親に同調してしまいます。

中絶させようとするのも、出産を認めてしまうのも、お腹の子より娘が大事と思うのも、

すべて母として子を思うからなんだろう、と。

そして娘もまた母として、子を思う。

相手の男の子の母親も、母として子を思う。

三者三様の母の愛、そしてエゴが絡み合います。

誰に味方するのかは視聴者の自由。

それにしても、つっこみたくなる箇所満載。もう少しなんとかならんのかいなと思いつつ、観ています。

 

『嫌われ松子の一生』

裏のDr.コトーに大負けして、視聴率はふるいませんが、たいへん良質なドラマだと思います。

原作も映画も知りませんが、松子の転落人生はかなり泥沼です。

内山理名が、純粋かつ単純な女性をいやみなく好演しています。

松子に感情移入するととても耐えられませんが、

そこは客観的な作りで、「ある女性の一生」のスライドを観せられているような感覚でいられます。

松子を取り巻く男性(萩原聖人・谷原章介・杉本哲太・要潤)も魅力的。

とくに北村一輝は、松子への真摯な愛情を表現していて、

悪人やアヤシイ役が多かった今までから、新たな境地を開拓したのではと思います。

かさねがさね、裏がコトーじゃなければ・・・。

しかしいくら私が女でも、松子みたいな生き方はできないなあ。

殴られても蹴られても「一緒にいたい」なんて・・・無理!

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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