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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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文化的休日二日目。

 

「はっ! 今年は正倉院展に行っていない・・・」

と気づいたはいいものの、期間は月曜まで。

行くとしたら今日しかないですが、土曜ですから混雑は目に見えています。

「よし、開館前に行こう!」と、地元民の特権を行かして自転車を走らせたものの・・・。

 

到着は8時40分。

すでに長蛇の列でした。

 

開館時間を早めたのか、案外すんなり入れましたが、

中はわらわら、がやがや、ぎゅうぎゅう。

人の頭しか見えませんがな。

 

それでも目玉の展示品はしっかり鑑賞しました。

気の遠くなるような年月を経ても目にもあやな美宝の数々。

大仏開眼というイベントが、どれほど国家の大事であったかがわかります。

おもしろいのが写経。

字というものは人の性格が出ますね。

もちろん、とても整った美しい字なのですが、中には筆使いの豪快なものがあって、

ごっつい体格のお坊さんなのだろうかと想像してしまいました。

 

疲れ切って出口を抜けたところには、いくつかのテントが。

《鶴屋吉信》の和菓子、《植村牧場》のアイス、《ホテル葉風泰夢》のケーキセット・・・。

ちょっと、このタイミングずるくありませんか。

どうしてもそちらに向こうとする足をむりやりひきずり、興福寺へ。

秘仏と八部衆&阿修羅像の公開です。

教科書で見ていた阿修羅像を生で拝見するのははじめてです。

美しいお顔とすらりとした手足に、清冽な空気を感じました。

個性豊かな八部衆、仏典にもとづいたそれぞれの装飾もまたおもしろい。

彫刻には魂が宿るともいいますが、今にも動き出しそうです。

 

しかし、どこへ行っても人が多いのには困りもの。

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