翌朝。早く目が覚めたので朝風呂へ。今日は快晴のもようです。
朝食でしっかりおなかを満たしてチェックアウト。昨日のバス代と、今日のバスチケットを受けとります。
今日の予定は…晴れているので、熊野古道! 前々回はつり橋を渡ったところで先に行くのをやめた、果無集落へ!
ホテルのそばにあるトンネルをくぐります。
天井からしたたる水の音が怖くて小走りに。早くも体力を消耗。
つり橋を渡ります。
おそるおそる。二度目のせいか、少し余裕がありました。
林道を進んで、車道に出たところに入口があります。
民家と畑の中をしばし登っていくと、良い眺め。
しかし実はまだ前哨戦でした。
ここが本当の入口。
ここからが本番なのです。
熊野古道といえば、石畳。
ずんずん、ずんずん。
終わらない…。
つり橋を渡ったあたりは、身震いするほど肌寒かったのですが、ここまでくると重ね着した上着を次々脱いでしまいました。
ゼイゼイ水を片手に息切れしている横を、「おはよーございまーす」と爽やかにスタスタ登っていくハイカーさん。うらやましい。
明日は確実に筋肉痛。
ハイカーさんに追い抜かれた以外、人気がありません。
ざわざわ。工事車両も遠ざかり、今や響くのは風の音だけ。石畳から立ちのぼる冷気。それは霊気でもあり。
ふと、涙がこみあげました。
太古、熊野をめざす人びとも聞いたであろう、この森のざわめき。千年変わらぬ空間がそのまま残っている、それが熊野古道なのです。
千年前とは景色は変わってしまったけれど。
参詣者もここらできっとひと息ついたに違いない。
ベンチに座って陽光を浴び、鳥のさえずりを聞いていると、時を忘れそうです。
さあ、果無集落まではあと少し。
道の先に小さな扉が。
水仙が咲いています。こんな山の上に民家があるなんて。知ってはいたものの、改めて今たどってきた道のりを思うと、驚かざるをえません。
民家が見えました。
やっと到着しました、果無集落です!
田植えの時期なら、きっと美しかっただろう。
民家の脇には大きな鯉がいました。
ここまで登ってきた疲れを癒してくれるような手水の冷たさと桜の花。
本当に、家の前に世界遺産があるのです!
ポスターに載っていたおばあちゃんかな、出てきて挨拶してくれました。
縁側のそばにはこんな飾りも。
自分の家が突然脚光を浴びて、たくさんの人が訪れるようになって、たいへんなこともあっただろうけれど、こういう心づかいを見るとなんだかほっとします。
さらに石畳を歩くと…。
キタ――(゚∀゚)――!!
ポスターやらで見た風景!↓
芝桜には季節が少し早かったけれど…。
石碑のすぐそばの車道には村営バスのバス停が。
うん、確かに。でも世界遺産になる前はどんな名前だったのだろう?
ちなみに運行は月曜のみです。
集落にはちらほら観光客が増えてきました。車で来ているのかな?
帰りはその車道を歩くことに。
しばらく歩くと、ごうごうと音が。車かと思いきや、滝の音でした。
ネット上ではもっと全景を撮った写真があったのですが…近づける降り道を見つけられませんでした。もったいない。
道はずっと日陰なので、汗をかいた身体が冷えてきました…。
ヤマザクラのピンクがきれいです。
ようやく、登山口まで戻ってきました。
再び橋を渡ります。
川の上が怖いんです。
それでも桜の写真を撮る余裕アリ。
ホテルに戻りました。といってもチェックアウトしているので、外でブラブラ。果無集落でゆっくりしたつもりでしたが、まだ十時過ぎ。バスまで一時間半ほどあります。ちなみにこのバスが五條へ戻る最後の便のため、逃すとエライことに。
まだ温泉開放時間前なので足湯に浸かったり、芝生でパンを食べたり。お天気がよくて子どもたちが野球に興じている姿を見るのも気持ちがいいのですが、いかんせん風が冷たくて寒いので、ロビーで時間をつぶしました。
おみやげを買ったりするうちにやっとバスの時間。連休のためか十津川温泉や上野地から乗り込む人が多く、いつになく混んでいました。
快晴の吊り橋。昨日とはずいぶん様相が異なります。
五條から高田経由で奈良駅へ。万葉まほろば線も観光客でにぎわっていました。到着は17時。やはり五時間コース。
ああ~やっぱり十津川最高! 何度でも訪れたい場所、それが秘境の湯・十津川。
そして次こそは、冬季のためバスが運行していなかった玉置神社へ行ってみたいと思います!
なんならこの夏にでも。
PR