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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『問題のあるレストラン』
最終回の冒頭ではいきなり「んんっ?」とつんのめってしまいました。裁判は? 雨木辞任? さつきの結婚パーティの写真? クレーマーは誰? ビストロ・フー閉店!?
勘繰りたくもなります。視聴率のせいで一話削られたのではなかろうか。どう考えても話が飛びすぎです。お店のカレンダーも3月26日でしたし…。
そしてその読みが当たっているとしたら、このドラマは導入に失敗したように思います。初回、なぜあんな視聴者がついていきづらい展開にしたのか。2話からの流れは正常、むしろ良質な脚本だっただけに非常にもったいなく思います。
しかしあえて心の痛くなるような裁判を描かず、ふたつのレストランをあっさり閉店に持ちこんだのは、再びたま子と門司が別々のレストランで働きはじめるラストにつながって、男女どちらも勝ち負けつかず、永遠に戦いを続けることでお互いに切磋琢磨していく未来を暗示しているのかなとも思います。
キャストも熱演で、女性ばかりなのに不自然なベタベタがなく、しかし強いつながりを感じる、これも役者の力量あればこそでしょう。軒並み不快指数の高い男性陣も同様です。風間俊介が登場した時には、「まさかこいつも!?」と疑いのまなざしを向けてしまいましたが、めっちゃステキな男性でさつきのしあわせに涙しました。雑誌記者しかり、出国を前にプロポーズを決意した男性客しかり、終盤にはマトモな男性が次々現われて、ほっとしました。
ぜひ夏ごろに、同じメンバーで海の見えるレストランのスペシャルドラマを放送してほしいです。
あ、ちなみにグーチョキパーは「軍艦沈没破裂」世代…昭和感満載…。

『ウロボロス~この愛こそ、正義』
イクオと日比野ちゃんの関係にキュンキュンしつつ、最後にはしあわせになってほしいなあと薄い望みを抱きながらの最終回だったわけですが、やはりその手を罪に染めてしまったイクオと竜哉にはしあわせな生は許されなかった、いや、彼ら自身がそれをみずからに許さなかった、ということなのでしょう。
結局ふたりの戻る場所は、その人生を決定づけた「まほろば」にしかなかった。イクオにはともに生きると誓ってくれた美月が、竜哉には最高の片腕の深町がいたけれど、出逢うのが遅すぎたのかもしれません。結子先生のオムライスをほおばるふたりの姿がやがて子どもに還っていくラストは、切なくて泣けそうでした。父親と愛する人を同時に亡くした美月がかわいそうでしたが…形見のウロボロスを胸に、命を落とした皆のぶんまで再び警察官として力強く生きていくのだろうと思います。
しかし、なぜ結子先生の告白ビデオを見たのが竜哉だけであったのか。もしイクオが結子先生の遺言を聞いていたら、彼の決断は変わっていたかもしれません。原作頼みでないしっかりとした脚本あればこその展開でした。劇画調な話をここまで惹きつけられるドラマにできたのも、脚本家の力量だったと思います。
主演ふたりの熱演が物語を盛り上げていましたが、警察の面々も個性的な役者がそれぞれの役割を発揮し、毎週見ごたえがありました。三島・蝶野・都美子の中年トリオや、いわくありげでなにもなかった深町の無表情でのセリフ回しは重たくなりつつある終盤の展開のオアシスでした。涙ながらにオムライスを食する場面は泣けました。巷で話題の『ウラバラス』も聴きたかったなあ…我が家の録画機器では副音声の再生ができませんでした。
そして小栗旬と生田斗真のイケメンぶりを改めて実感したドラマでもありました。
そういえば、原作を読んでみようかなと思って調べたら…未完だったんかい!

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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