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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『源氏』づいている今日この頃ですが、

本日発売のRin'『源氏ノスタルジー』もgetして参りました。

 

平安朝というと、雅、優美、なよやかなイメージを連想しますけれども、

『源氏物語』って、そんなたおやかな話ではないですよね。

読み進めるうちに、《夕顔》の巻などは全体から見れば比ではないことを知り、

《若菜》の巻では畏怖すら憶えました。

 

人と人とが触れ合い、想いを交わしたその瞬間は、

生涯続く孤独のはじまり。

幾たび時を経ても人間のくり返さざるをえないあやまちと因果、

愚かにもかなしい命。

 

このアルバムは、作品に流れる情念を見事に表現しています。

 

PVでは三人の演奏している姿がただただ映されていますが、

時折上衣を脱いだ姿がさし挟まれています。

幾重も重ねた衣のうちに、想い焦がれる心を隠し、

涙に袖をしぼりつつ、片敷衣の夜を明かす。

胸の奥に秘めることしかできなかった女人たちの恋、

歌に垣間見るそれは、ただひたすらに激しくて、美しい。

まるでうつし絵のようでした。

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