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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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講談社文庫の発行順で書いております。

 

『浪花少年探偵団』

東野圭吾は布施エリア出身です。

ちなみに司馬遼太郎もそのあたりです。濃い土地です。

この作品は、今までとはがらりと趣向を変えたコテコテな新喜劇系タッチのミステリー。

ゲラゲラ笑えました。

山田まりや主演でドラマ化もされました。観ていませんが。

 

『十字屋敷のピエロ』

《館・連続殺人・哀しい恋》、ミステリーの王道のような作品です。

作者には「ピエロを出すとその作品は成功する」というジンクスがあったらしく、

初期の作品にはよくピエロやピエロの人形が登場します。

この本は、なにがおもしろいのかさっぱりわからず、あんまり読み返しませんでしたね。

今になってやっと人間関係が把握できてきました。

 

『眠りの森』

『卒業』の主人公だった加賀恭一郎が、刑事になって登場。

あるバレエ団で起きた殺人事件を調査している中、団員のひとりである水緒に心惹かれていくという、

いかにも私好みな話で、ミステリーとしてはさして目を引くものではないかもしれませんが、

すこぶるお気に入りです。

ふたりの関係が事件解決を経てどうなったのか、非常に気になるところ。

 

『宿命』

東野圭吾ベスト作品を選ぶなら、迷わずこれ。

泣いたし驚いたし感動しました。

なぜ発刊当時これが売れなかったのか、本気で疑問なんですが。

ドラマも観たいのですが、藤木直人というのがいささか・・・。イメージどおりカッコイイけど。

 

『変身』

映画の項でも書いたのですが、これを読んだ時の衝撃はまさに青天の霹靂でした。

この作家は天才だと思いましたね。

最初は気が弱く内気な《僕》が、いつの間にか凶暴で冷酷な《俺》に変わっていく恐怖。

文章表現の世界は無限であることを知りました。

やっぱり映画では無理です。

 

『仮面山荘殺人事件』

最後に「あっ」と驚くどんでん返し。

こういうトリック勝負の話は、一度読んだらもう読めない(読むけど)。

ちょっと強引かなーという気がしないでもないですが、映画や舞台にしたらおもしろそうですね。

 

・・つづく

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