忍者ブログ
おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

小・中学生の頃、女子の間で購読されている雑誌は、

『りぼん』派と『少(別)コミ』派に分かれていましたが、

私は大衆的『りぼん』でした。

 

人気漫画がたくさんあって、コミックスもたぶん100冊以上は持っていたと思います。

『ときめきトゥナイト』は何十回と読み返したし(第一部に限り)、

『ハンサムな彼女』で描かれる映画の世界に憧れを持ったし、

ジブリで映画化された『耳をすませば』は断然原作のほうが良質だったし、

似ているらしいマミリンも出ていた『天使なんかじゃない』には毎月胸を痛めたし、

『ちびまる子ちゃん』が社会現象になるなんて思いもよらなかったし、

『ルナティック雑技団』は、今からコミックスを集めたいくらいに笑えたし、

・・・

と、思い出を書いていけばキリがないわけです。

 

小花美穂氏は、好きな漫画家のひとりでした。

内容が割とシリアスで、訴えかけてくるものが多いのですが、

ところどころに笑いがさし挟まれているので、重くはありません。

『この手をはなさない』という作品では、主人公と恋人が一夜を共にするシーンがあるのですが、

これは(今はどうか知りませんが当時は)『りぼん』誌上ではまず描かれないものであり、

キスシーンで「キャー♪」となっていた純朴な田舎っ娘にはかなりの衝撃でしたね。

よく編集部が許可したなあと。

 

標題作は、『りぼん』を卒業してからの連載なので、内容をまったく知りませんでした。

最近、漫画喫茶で当時から活躍していた漫画家さんの『りぼん』作品を読み返していたので、

その一連として手にとったのですが・・・。

これがめっぽう面白い。

 

作品自体は13年も前に連載されていたものなので、時代は「チャイドル」ブーム。

テレビで人気を博す子役タレントの女の子が主人公です。

小学校の同級生の超問題児と衝突をくり返すうちに心を通わせ、

やがては恋人関係に発展するわけですが(これは少女漫画のお約束)、

その間に学級崩壊、複雑な親子関係、離婚、友人との不和など、

思春期の抱える問題を真正面から取り上げ、テーマはなかなかヘビーです。

笑えるところが多いので、救われていますが、

それにしても、主人公が心の病にかかる少女漫画なんて、見たことありません。

ラストには、不覚にも涙が出そうになりました。

 

うちの親はのび太の母のごとく漫画否定派でして、

「また漫画ばっかり読んで!」とよく怒られました。

でも私は活字ばかりの本と同じくらい、漫画から学ぶことはたくさんあると思っていたし、

今でも、当時漫画を読んで損はなかったと思っています。

 

でもやっぱり、自分の子が漫画ばかり読んでいたら、

「また漫画ばっかり読んで!」と怒ってしまうかもしれません・・・。

PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
さや
性別:
女性
自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
ブログ内検索
バーコード
ATOM  
ATOM 
RSS  
RSS 
Copyright ©   風花の庭   All Rights Reserved
Design by MMIT  Powered by NINJA TOOLS
忍者ブログ [PR]