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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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風が強く吹いている

 

できれば、今年の箱根駅伝を観る前に観ておきたかったですね。

原作がとてもよかったので、映画も楽しみにしていました。

あれだけのボリュームがあるお話をどのように2時間でまとめるのかと思っていたら、ハイジとカケル中心で他のメンバーのエピソードは大かた削られていました。ちょっとしたシーンでうまく個性を生かそうとしていましたが、双子やニコちゃん先輩はほぼ空気でしたね・・・外見をのぞけばムサも・・・。

カケルを演じた林遣都の身体つきが長距離ランナーそのものだったのには驚きました。走り姿も美しく、「強さ」を感じました。寛政大メンバーは皆陸上部のような過酷なトレーニングを積んで撮影に挑んだとのことで、走っている姿はそれぞれ本物のランナーのようでした。まあ、これが脇に至るまで徹底していれば言うことはなかったのですがね・・・渡辺大のオールバックの髪型といいごついガタイといいいかにもスポーツ漫画に登場するライバル風で、リアリティを追及している割にはちょっと違和感でした。

やや影の薄い他メンバーの中では、ユキが印象に残りました。最初から佇まいに華があるというか、集団の中でもなぜか目立って見えたのです。山下りをするユキが風の中でカケルの世界を体感し、「おまえはずいぶんさびしい場所にいるんだね」とつぶやく場面がとても好きなのですが、さらりと流されていて少し残念でした。よくよく調べたら、『お金がない!』に出ていた子役ではないですか! 大きくなって、まあ・・・。

ベタなのですが、神童と母親の電話のシーンは泣けました;;

実際の箱根路では撮影できなかったそうなのですが、沿道の人ごみ、歓声、空撮や実況などはとても臨場感がありました。スタッフの箱根、そして原作に対する愛情とリスペクトを感じました。

大げさすぎるラストも、原作では完璧すぎて少し感情移入しづらかったハイジの人間くささみたいなものが感じられて、良かったです。小出恵介もずいぶん上手くなったな~。

やはり、箱根は最高!

評価:★★★☆(3.2)

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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