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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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チャーリーとチョコレート工場

そろそろ素顔を忘れてしまいそうなジョニー・デップです。

チョコレートの海を渡ってお菓子の家にたどりつきたかった幼少時代。

そんな夢をかなえてくれる、不思議なお話。

家が貧しくチョコレートは年に一度の誕生日だけというチャーリー少年は、奇跡的にチョコレート工場の経営者ウィリー・ウォンカの招待状を受けとり、工場見学に行くことになる。

同行者は、同じく奇跡を引き当てた4人の子ども。食いしんぼうであったり、我儘であったり、自信家であったり、大人を馬鹿にしていたり、素直なチャーリーとは少し異なる模様。案の定、彼ら彼女らはそれぞれルールから逸脱し、工場を出ていかざるをえなくなります。

最後に残ったのはチャーリー。生き残りにはウィリー・ウォンカからとびきりのプレゼントがありました。

『アリス・イン・ワンダーランド』と同じく、色彩豊かで一瞬にして絵本の中に連れていかれたような錯覚を憶えます。お菓子でできた庭、働く小人、空飛ぶエレベーター。動物とダンスと音楽。昔あこがれたそのままの世界が広がります。罪を犯した者が裁かれ貧しい主人公が最後に富と幸せを手にするところまで同じ。絵本と違うのは、子どもだけでなく、大人=ウィリー・ウォンカも屈折した子ども時代の呪縛から解き放たれるラストです。大人も子どもも、楽しい絵本を閉じたあとのように心があたたかくなれる作品です。

チャーリーが当たり籤を買うのは拾ったお金ではなく祖父からお金をもらった時で良かったと思うし、4人の子どもは結局改心できたのかどうかわからないし、何かと気になるところはあるにはあるのですが、それをのぞけばまあまあ面白かったと思います。

やっぱり、チョコレートが食べたくなる衝動には勝てませんね~。

評価:★★★☆☆

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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