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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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はじめて相撲を観戦したのは、もう5年ほど前のことですが、

テレビで見るよりずっと迫力があって、楽しかったです。

魁皇はほんとうに岩のように大きかったし、

土俵下で殺気を発する朝青龍には肝を冷やされました。

これといった波乱はなかったのですが、安馬(現・日馬富士)の一番には館内が沸きました。

土俵が遠くても、一方向しか見えなくても、やはりライブがいちばんだと感じたものです。

もう少し簡単に安くチケットが手に入るのなら、毎年観に行くのになあ~というくらい、夢中になりました。

 

・・・その大阪場所が。

開催は白紙って。

 

暴力やかわいがり、野球賭博と、このところスキャンダルにはことかかない相撲界ですが、

正直、八百長はあるのだろうなとは思いたくないが思っていました。

まだものごころつかない頃の取り組みはモロバレだったらしいし。

無気力相撲も減らないし。

W杯にしろオリンピックにしろ日本シリーズにしろ、そこにひたむきな真剣さがあるから人は惹きつけられるのであって、

相撲ならば命がけのぶちかまし、土俵際の攻防にこそ妙味があるというもの。

それすらツクリモノだったのだとすれば、相撲の魅力などかけらも残りません。

 

伝統という名のもとに築かれた特権階級の鎖された世界には膿がわんさかと溜まっていることでしょう。これは相撲に限らず。

ただでさえ新しいファン層を開拓する力はなかったのに、それでも応援してくれていたファンさえも裏切ることになってしまった相撲界の行きつく先は、いったいどこなのでしょうね。

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