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舞台は北欧ですが、たとえば『かもめ食堂』のような、インテリア雑誌に載っているような雰囲気とはほど遠い、つねに厚い雲に覆われた薄暗い空の下を歩くような陰惨な影を孕むサスペンス映画です。
主人公は実業家の違法行為を暴露し名誉棄損の有罪判決を受けたジャーナリストのミカエル。40年前の少女失踪事件の調査を依頼された彼は、全身タトゥーと鼻ピアスという奇抜な外見をした天才ハッカーのリスベットの協力を得て、謎に挑む。
原作は大ヒットした推理小説3部作。しかし、ミカエルとリスベットの探偵コンビが活躍するただの謎解き物語ではなく、リスベットには明かされていない過去があり、時折フラッシュバックで差し挟まれる追憶と母の言葉からなんとなくその凄惨な体験に思い至ることができるものの、詳細は続編までのお預けの模様です。
大家族、孤島、地下室、聖書、暗号。ミステリには欠かせない要素を贅沢に盛り込んで、徐々に謎解きを展開しつつ、謎めいた魅力を放つリスベットとそれに惹かれていくミカエルとの関係にも目が離せず、北欧というイメージを覆す残酷なレイプシーンや遺体写真の数々には思わず目をそむけてしまうとはいえ、150分超の長丁場ながら飽きさせない作りになっています。
また、リスベットという今までにない魅力的なヒロイン(と称して良いものか)を演じた女優さんの役作りは称賛に値すると思います。
原作は未読ですが、おそらく質を損なっていない仕上がりなのではないでしょうか。
評価:★★★★☆(3.3)