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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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ダーリンは外国人

私は3人兄弟の末っ子ですが、おそらく「外国」に対する憧れであるとか好奇心であるとか、そういったものすべてを持って行かれた状態で産まれてきたのだと思うほど、それらに興味がありません。

英語は苦手でした。とはいえ座学であれば、理数ほど不向きではありません。和訳は直訳するとおかしな日本語の文章になるのが許せず勝手に意訳してよくバツをもらっていましたが。

しかし大学に入ると、ネイティブ講師の授業があり、これが苦痛でたまりませんでした。なんで日本史学びに来たのに英会話せなあかんのや! と何度心の中で毒づいたことか。必須単位でなければ確実にブッチしていたはずです。そのせいだけではありませんが、さまざまなトラウマにより英語パニック症候群です。観光地に住んでいるため、道に迷っている外国人を時折見かけますが、ガイドブックに目をこらしている彼らのそばを通る時は、お願いだから話しかけないで~と念じてしまうヒドイ日本人です。

こんな人間ですから、留学なんて考えたこともありません。

ましてや外国人と結婚するなんて、考えただけでも身震いがします。

しかし、トニーさんのように日本語がペラペラなのであれば、オッケーです。

原作は未読です。が、ちょいちょい目にする広告で、トニーさんの外国人ならではの素朴な疑問や、日本語の不思議さに改めて気づかされるところなどが、おもしろそうだと思っていました。

偶然の出会いから、少しずつ距離を狭めて、交際することになったさおりとトニー。一緒に暮らし始めて、親に紹介する予定もできて、順風満帆だったはずの恋人同士は、親の反対にあったり、心がすれ違ったり、さまざまな紆余曲折を迎えることとなる。

言葉が通じても、文化が違えば、いろんな違和感が生まれるもの。

国籍が同じでも、それは変わりません。違う家に育てば、おみそ汁のダシひとつとっても違います。劇中、大竹しのぶ演じる母親が朝食の話をしていましたが、聞きながらウンウンとうなずいてしまいました。結婚生活において思いどおりにいかないことは少なくないものです。

さおりとトニーのすれ違いは、国籍が日本とアメリカという以前の、恋人同士なら誰でも突き当たる思いの伝え足らずによるものに見えました。言いたいことを我慢したり、相手の気持ちを汲めなかったり。気づいた時には遅かったり。

洗いものの流しが足りなかったり、洗濯ものをネットに入れなかったりするのは、男性ならよくある失敗だと思いますし。ですから、『ダーリンは外国人』というタイトルにしては、外国人であることはあまり関係なく平凡なラブストーリーで終わってしまった感があります。

しかし、プロポーズの場面は外国人ならではで少し感動さえ憶えました。ひざまずいて求婚など、日本男子にはできないでしょうね。外国人の男性がドアを引いて待つ動作や、なにげに花を持ってくるところなどは、こちらが気恥ずかしくなってしまうほどスマートですから。

評価:★★★☆☆

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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