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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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エグザム

とある企業の試験に集まった男女8人。試験官はルールの説明後、部屋をあとにする。残ったのは8人と警備員。受験者が問題用紙を裏返すと、それは白紙だった。残り80分。彼らは何とかして「問題」とその「答え」を見つけようとする。

極端に説明の少ない導入部。受験者と同じく「???」が渦巻き、これからどうなるのだろうとワクワクします。

『SAW』や『CUBE』が一世を風靡して、雨後の筍のように制作された密室群像劇。そのどちらとも観ていませんが、設定だけを真似たようなB級作品が多い中、これは比較的良作の部類に入るのかな、と感じました。

いくら年収一億がかかっているとはいえ、そんなに必死にならなくても、と思わなくもありませんが、そこはいちおう、「本当に命がかかっている」状態の人間もいることがわかるので、理屈は合うかなという気はします。

ただ、ラストでとってつけたように試験の趣旨を説明していたとはいえ、いくら何でも非人道的すぎてそこは違和感でした。それぞれ個性ある受験者の中でとりわけ異彩を放っていた人物が企業の回し者であったのは、大方の予測どおりでしたが、そこは『ユージュアル・サスペクツ』のケビン・スペイシーばりの変貌を見せてほしかったところです。

さらに、冒頭で最大の謎をぶちあげている以上、それなりのオチを用意してくれないと困ってしまいます。「問題」の中身には、感心どころかどっと脱力してしまいました。屁理屈をつけようと思えばナンボでもつけられる、ただのトンチクイズです。

ま、ラスト以外は退屈せずに観ることができましたので、まあまあかなと。

評価:★★★☆☆

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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