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毎日つけている日記も、丸10年を迎えようとしています。
日に日に字が汚くなっているのを感じます。
1997年は、きっちり楷書で行を埋めているのに、
今となっては、自分でも読めないみみず文字・・・。
これじゃいかんと思いつつ、パソコンに慣れて漢字を思い出せない脳力の低下を思い知らされます。
学生時代、おもしろいバイトをしました。
国文学の教授が、ある文筆家の日記を出版するため内容をデータベース化するというバイトを募ったところ、
原稿料が「1枚20円」という破格の安さに、誰も手を挙げなかったのですが、
なかなかおもしろそうだし部活も暇な時期だったので、引き受けることにしました。
その文筆家とは荻原井泉水(おぎはらせいせんすい)。
明治から昭和を生き、自由律俳句を提唱した俳人です。
日記のコピーをもらって愕然。これは何文字かというくらい悪筆なのです。
日記ですから、どんな字で書こうが自由なのでしょうが・・・。
上から下から斜めから、苦心して読解につとめたものの、私の原稿は穴あきだらけでした。
それでも、日記の内容はあらかたつかめます。
人の生活をのぞくというのは、なかなかおもしろいものです。
私がもらったのは、日記の一部なのですが、
妻・桂子さんとの夫婦生活が縷縷面々とつづられていました。
前後がないのでよくわからないのですが、
どうやら桂子さんと井泉水は、結婚当初はお互いなじめず不仲であったようです。
嫁姑問題もからんでいた模様。淋しさに泣く桂子さん。困惑する井泉水。
やがて誤解も解け、ふたりは夫婦として結ばれます。
病に倒れ、実家に帰る妻に、俳句をリボンに書いて渡す井泉水。
ですが、時には母のいない夜にこっそり呼び戻し、夫婦の時間を過ごします。
「本当に愛しい、桂子はまるで天使のようだ」。井泉水、ベタボレ。
でも、調べてみたら、桂子さんは早くに亡くなっているのですね。可哀相・・・。
・・・つづく