忍者ブログ
おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

昨日の新聞に、ある古墳から石室の遺構が見つかったとの記事がありました。

そこにコメントを寄せていたのが、私の大学で考古学を教えていた教授で、

少し懐かしい気持ちになりました。

 

母校の考古学は、その世界ではちょっとした権威があるらしいのですが、

おかげで入試問題の考古学の比率が異様に高く、しかもとんでもなくマニアックという弊害があり、

近世史にしか興味がなかった私にとっては、そのプライドは厄介なものでしかありませんでした。

その感覚が傾いたのは、この教授の授業を受けてからです。

 

一本調子のつまらない講義ばかりの中で、この先生の授業はとてもおもしろいものでした。

先生の個性が際だっていたからです。

遺跡見学に行く途中、はりきって学生の先頭切って自転車をこいでいたら、

勢いあまって骨折したというエピソードから始まり、

ミスプリントを「これはペケポンですね」、

板書の間違いを「ありゃりゃ」とあわてて消す姿もなにやらかわいらしく、

女学生には大ウケだったのでした。

 

先生がおもしろければ授業内容もおもしろく感じるもので(実際おもしろかったのですが)、

なるほど考古学もいいかもと少し心の揺れた私でしたが、

やはり近世史への興味は捨てきれず、考古学ゼミには入りませんでした。

 

入学時は考古学志望者が半数以上を占めていた学生も、

いざゼミが始まってみたら、考古学教室はこぢんまりと少人数。

なぜなら、考古学には恐怖の40日間発掘実習が待っているからです。

夏休み、遺跡に行ってえんえん土を掘り、

寝泊まりは公民館(当然ながら遺跡周辺に宿泊施設はありません)、

雑魚寝に自炊、休みの日もすることないから勉強会と聞いて、

それでも残る学生(とくに女子)は、よほどの根性者か考古学命。

このオソロシイ実習を経て、連帯感が生まれるのか、考古学ゼミは和気藹々としていました。

それは少しうらやましかったりもしたのですが。

 

座学で聞くぶんにはおもしろいんですけどね。考古学も。

PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
さや
性別:
女性
自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
ブログ内検索
バーコード
ATOM  
ATOM 
RSS  
RSS 
Copyright ©   風花の庭   All Rights Reserved
Design by MMIT  Powered by NINJA TOOLS
忍者ブログ [PR]