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昨日の新聞に、ある古墳から石室の遺構が見つかったとの記事がありました。
そこにコメントを寄せていたのが、私の大学で考古学を教えていた教授で、
少し懐かしい気持ちになりました。
母校の考古学は、その世界ではちょっとした権威があるらしいのですが、
おかげで入試問題の考古学の比率が異様に高く、しかもとんでもなくマニアックという弊害があり、
近世史にしか興味がなかった私にとっては、そのプライドは厄介なものでしかありませんでした。
その感覚が傾いたのは、この教授の授業を受けてからです。
一本調子のつまらない講義ばかりの中で、この先生の授業はとてもおもしろいものでした。
先生の個性が際だっていたからです。
遺跡見学に行く途中、はりきって学生の先頭切って自転車をこいでいたら、
勢いあまって骨折したというエピソードから始まり、
ミスプリントを「これはペケポンですね」、
板書の間違いを「ありゃりゃ」とあわてて消す姿もなにやらかわいらしく、
女学生には大ウケだったのでした。
先生がおもしろければ授業内容もおもしろく感じるもので(実際おもしろかったのですが)、
なるほど考古学もいいかもと少し心の揺れた私でしたが、
やはり近世史への興味は捨てきれず、考古学ゼミには入りませんでした。
入学時は考古学志望者が半数以上を占めていた学生も、
いざゼミが始まってみたら、考古学教室はこぢんまりと少人数。
なぜなら、考古学には恐怖の40日間発掘実習が待っているからです。
夏休み、遺跡に行ってえんえん土を掘り、
寝泊まりは公民館(当然ながら遺跡周辺に宿泊施設はありません)、
雑魚寝に自炊、休みの日もすることないから勉強会と聞いて、
それでも残る学生(とくに女子)は、よほどの根性者か考古学命。
このオソロシイ実習を経て、連帯感が生まれるのか、考古学ゼミは和気藹々としていました。
それは少しうらやましかったりもしたのですが。
座学で聞くぶんにはおもしろいんですけどね。考古学も。