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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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シンガーソングライターは曲を先に作る人が圧倒的に多いようですが、槇原敬之や鬼束ちひろは詞を先に作り、それに曲をつけるそうです。

 

フィギュアスケーターで振付を先に考えそれに曲をあてるという選手は、まず皆無でしょうけど、もしやそうなのでは? と錯覚してしまう演技もあります。

その指先から曲が流れ出してくるような。

その身体から曲が溢れ出してくるような。

無色のリンクが一瞬で色鮮やかになるような。

 

安藤選手の演技は昨日も今日もまばたきを忘れるくらい魅了されました。優勝は惜しくも逃しましたが、バンクーバーの舞台で、再びレクイエムの悲愴とクレオパトラの美がリンクに満面と咲くことを期待します。

織田選手の成長もすばらしい。ジャンプの安定感に加えチャップリンという独自の世界を作り上げたことで、自分の表現力を最大限に発揮しましたね。五輪を逃して4年、鍛練が実りました。

高橋選手の今日のフリーはちょっとらしさがなかったですが、ブランクを考えれば昨日のSPの圧倒的な迫力が信じられないくらいです。情熱を全身いっぱいで体現する、見事なステップを何度でも観たいものです。

去年、こんな選手がいたんだと驚いた鈴木選手が摂食障害に苦しんでいたことは知りませんでした。一気に注目されて固くなってしまったSPとは一転、今日の完璧なフリーには感動しました。GPシリーズの時のミュージカル風な衣装も良かったですが、今日の赤もよく似合っていましたね。五輪内定には及びませんでしたが、悩み苦しみ這い上がってきたその精神力が報われることを望みます。

 

日本の選手だけでなく、海外のトップスケーターも鮮やかでした。優勝したライサチェック、あの長身を思い通りに動かすのは大変だそうですが、ジャンプの高さやステップは圧倒的迫力。さすが王者、と言わせる金メダルです。

キム・ヨナは007が注目されがちですが、フリーのピアノの解釈も大胆だと感じました。音楽を完全に自分の中に取り込んでいる、という感じです。それをあの高いレベルの技術で表現するのですから、もう白旗です。それにしても、どうしてあんなに細い身体でジャンプが飛べるのでしょう・・・。ジョアニー・ロシェットなどは筋肉が目立ちますよね。ロシェット、ちょっと不調なので残念です。

 

オリンピックがますます楽しみになってきました。 

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