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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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西ノ京と呼ばれるあたりの路地を進むと、忽然と表れる小高い緑。

かの佐保姫を愛した伊久米の大王、垂仁天皇の墓とされる陵墓です。

深々と水を湛えた濠に囲まれたその場所は、

どこか現世とはかけ離れた神秘的な表情で来る者を迎えます。

 

お墓って、少し怖いですね。

墓地を前にするといつも、

ここから先は違う世界なのだと、足を踏み入れてはいけないと、

頭の中でなにかが訴えます。

 

それが神が眠る場所として造られたものであれば、なおさらです。

でも、遠くから眺めるだけでも、旧き御代に人々がこめた思いをはかることができます。

 

古墳は天皇のお墓なので、民間の機関が調査に入れないと聞きました。

それがいろんな研究の足枷になっているようですね。

開放された暁には、教科書の新しい項目が増えるかもしれません。

そんな日が来ればいいなあと思います。

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