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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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待ちに待った続編スペシャル!

 

・・・なのですが。

なんだか、

「あー。学生時代に夢中になった、あの『必殺仕事人』はもう二度と甦らないんだなあ・・・」

と、少し切なくなってしまいました。

 

別に役者がジャニーズだからといって、批判する気にはなりません。ヒガシも松岡くんも、田中聖くんも、日常に対して少し斜に構えた姿勢はいかにも仕事人らしく、その雰囲気を絶やさず守っていると思います。

ですが、番組としての全体的な作りが、視聴者を選んでしまっているような・・・。

主演三人は、嵐とかキスマイなんちゃらとか(よく知らない)、いわゆるジャニーズの先頭を切ってアイドル街道を走っている人たちではない(と思う)ので、必ずしも若い層を限定対象とはしていないのでしょうが、ヒロインに今上がり目の剛力彩芽を持ってきたり、ムチャな時代考証はともかくセリフ回しや言葉づかいがますます時代劇風でなくなっていたり、どうも『必殺』オールドファンを差し置いて若い層におもねった作りになっていたように感じてしまうのです。同じ脚本家なんですよね・・・?

 

一人二役とその伏線の使い方、はじめて悪人を演じたという高橋秀樹は若くない層にも見ものの材料でしたが、この熱演が浮いていたようにも感じてちょっと哀れでした。和久井映見も貫録が出てきて、この二人の対峙は重厚感がありました(しかし平城宮跡の大極殿をロケに使うのはムチャやで・・・)。

流行の俳優を使うのは構わないのですが、ヒロインに入浴シーンやひざ下あらわなどはいささかサービス過剰かと。いくら時代劇とはいっても、大店の娘の言動や行動とは思えず違和感ありありで、ちょっと萎えました。

 

ヒガシが襟巻をして仕事に脇差を使ったシーンのBGMは、中村主水でした。

「あー。主水はもういないんだなあ・・・」

と、ますます切なくなってしまいました。

昼行燈と仕事人の二面性も上手だし、所作にも厚みがあって、ヒガシももう立派な『必殺仕事人』の顔なのですが、やはりいかようにしても、カッコエエもんはカッコエエ。

中村主水、といいますか藤田まことは、仕事人としての刹那的な生きざまが全身から滲み出ていて悲哀があり、とにかくシヴかったのですが、ヒガシはカッコエエだけになにか物足りない気がするのです。カッコエエことがマイナスになることもあるんですねえ・・・。

仕事人同士が家を行き来してやたらつるむのも、やはり「絆」押しする時代の流れでしょうか。

 

まあ、これはこれで、新しい『必殺』として、これからも楽しんでいきたいと思います。

(でも最低限脚本と演出はシッカリしてほしい・・・)

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