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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『お父さんは二度死ぬ』
予告編で非常に興味をそそられたので観てみました。1話30分、全4回と短いスパンでしたが、舞台は父親の通夜会場、その死をめぐる一夜の物語でしたので、よけいな描写もなくスマートに楽しめました。『アンフェア』の秦建日子原作ということもあり、謎が明かされた時はうむなるほどと膝を叩いてしまう秀逸さでした。ボリュームは2時間ドラマ枠ですが次週への引っ張り方がうまく、一気に観るよりワクワク感が増大して楽しめたと思います。主演の若い女優さんや弟役の少年も、クセ者役者ぞろいの中で輝いていました。しかしエンケンは、裸踊りしか印象に残ってないな・・・。

『あまちゃん』(承前)
朝観て昼観て土曜の再放送観てあまちゃん一週間観て・・・『カーネーション』以来のリピ率。マスコミもブームに乗っかってきました。毎日笑わされて泣かされて一喜一憂。登場人物すべてが愛すべき存在。あんべちゃんが東京に行っちゃう時は淋しくて、代わりの花巻さんは無愛想で怖そうだったけれどだんだん良さがわかってきて、とどめが舞台をいいあんばいに温めてくれたやさしいフレディ! ユイちゃん、映画風にボソボソしゃべるところが苦手だったけれど、一刻も早く田舎を飛び出したい若さと焦燥感、北鉄を見送る時の絶叫に涙して。アキとユイはまるでガラカメのマヤと亜弓のよう。そう、私はどんな試練にも黙して立ち向かう亜弓さんのほうが好き。だからがんばれ、ユイちゃん。
アキが東京に発つ時は、もう北三陸の楽しい人たちとの時間は訪れないのかとちょっとがっかりして。いきなり試練にぶちあたるアキに、もういいよ北三陸に帰ろうよと思わず画面に向かって声をかけてしまって。それでも物語の勢いは落ちません。あんなに頭の中でリピートしていた『潮騒のメモリー』は『暦の上ではディセンバー』にとってかわられました。はーでーしーなく♪
東京の人たちも、北三陸に負けず劣らず魅力的。芸達者な俳優たちが若手中心になって少し心配だったけれど、GMTはみんなキャラが立っていてイキイキ。とくに埼玉代表入間しおり(栗原ちゃんと同じ名前は偶然?)に目と耳を奪われます。貫地谷しほりのような若手実力派女優になりそうな雰囲気。まめりんも亜弓さん派ですね。奈落たちはいつか一緒に舞台に立てるのかなあ。
放送は半分を過ぎました。いつまでも、アキたちの成長を見守っていきたいけれど、ラストシーンはやってきます。その日が今からちょっと、悲しいです。

『八重の桜』(承前)
毎週つらくて悲しくて、泣きながらの鑑賞です。視聴率の低さがクローズアップされていますが、非常によくできたドラマであると思います。個人的には昨年のような異質な作りは苦手なので、真正面から会津を捉えた描き方に共感します。世界を席巻する狡猾な流れにのみこまれざるをえない運命を直視するにはあまりに八重も覚馬も容保も古風にまっすぐすぎて、美しくも気高くも壊れやすい硝子細工のようです。それぞれが重い使命を抱きながら演じているのが伝わってきます。
会津敗れた後、ハンサムウーマンへの転身を遂げる八重がどのように描かれていくのか、この重厚感を維持できるのかが。いささか心配ではあります。
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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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