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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『OUR HOUSE』
低視聴率ばかり取りざたされて最後は打ち切りというかたちに。
初回からひきずっていた問題が解決し一件落着に見せかけておいて、実はラスボスが残っていた…という展開は野島伸司のパターンですが、そのラスボスがあまりにもインパクトが薄くて不要なエピソードになってしまいました。あれなら桜子とアリスの確執が融解してメデタシメデタシで良かったような…。しかも打ち切りは急遽の決定事項だったのか、無理くりおさめたようなスピード解決でしたし。ママそっくりな女性に懐く→やっぱりアリスがいい! と振り回されるアリスがかわいそうになってしまいました。
ただ、ラストまでは一話ずつ使って子どもたちとアリスの関係性が濃くなっていくさまを丁寧に描いていて、当初つきまとっていた古臭い違和感もいつしか消えていました。シャーロットと芦田愛菜の涙はさすがの演技力でこちらももらい泣き。
しかし山本耕史演じるパパは本当にいらない子でしたね。

『僕のヤバイ妻』
いやー、こんなに笑えるサスペンスドラマがいまだかつて存在しただろうか。
若干暑苦しくて中途半端な二枚目という伊藤英明にこんな振り切れた演技ができるとは思ってもみませんでした。幸平以外は皆大真面目だっただけに回を追うごとにそのバカっぷりが際立ってきて何度飲みかけのお茶を吹いたことか。お笑い担当が本職の宮迫を食ってしまうとは驚きです。
それも真理亜の不気味さがあってこそです。最初から最後まで、幸平も視聴者も真理亜の手のひらの上で転がされていました。木暮との関係性が今ひとつ描写不足だったとは感じますが、それでもいったいどうしてあんなオソロシイ女性になってしまったのか…。幸平があまりにもバカだったせいか?
鯨井夫婦も怪演でした。キムラ緑子と高橋一生がタダで終わるわけないと思っていましたが、幸平・真理亜が絵に描いたような幸せ夫婦から偽装夫婦に成り下がり、鯨井夫婦が偽装夫婦からラブラブ夫婦になるというラストの対比はなんとも秀逸でした。

『早子先生、結婚するって本当ですか?』
人間の毎日は、淡々としていて同じことのくり返し。しかし本当はそんな中にもドラマチックな事象はあちこちに転がっていて、心はそのたび揺れ動く。ドラマや映画のように、友情だ、恋だ愛だと大げさに騒いだりはしないけれど、誰かと出会い、話し、向き合うことで淡々と回る歯車は、少し向きを変えている。くり返しているようで、実は変化のきっかけなんていくらでもある。
そんな人びとのささいなようでいて実はドラマチックな婚活の日々を丁寧に描いたドラマでした。しかし連ドラに求められるカタルシスが少ないだけに、これも報道こそされませんでしたが低視聴率により9話打ち切りだったことが想像される駆け足の最終回で、少し残念。民放よりもBSプレミアムの30分枠で放送したほうが似合うクオリティでした。
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さや
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女性
自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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