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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『信長協奏曲』
「なんじゃそりゃあぁ~」と叫んでしまいたくなる終わり方に加え、映画公開が2015年12月て! いつまで待たせるねん!
とまあ、最終回に不満が残り、 時系列や時代考証にも多少の難点はありましたが、全体的にはまあまあ面白く鑑賞できました。
原作とは別展開になっていますが、個々のキャラクターがきちんと確立していた点ではドラマとしてのアレンジがうまくいっていたのではと思います。信行や藤吉郎は、原作より魅力的でした。サブローと光秀を演じ分けた小栗旬の眼力も良かったです。
さて…原作大人買いしてこよう。

『軍師官兵衛』
ブラック官兵衛になってからの展開は見ごたえがありました。秀吉との間に横たわる不信感、「悪いやっちゃなー!」と毎回つぶやいてしまう三成との確執、静かなる炎を燃やす家康とのかけひき、敗北とともに訪れた動乱の世の終わり。官兵衛側から見る戦国時代というのも新鮮でした。
魂込めて官兵衛という人間になりきっていることがひしひしと伝わる岡田くんの熱演でしたが、惜しむらくは竹中直人・寺尾聰というベテラン俳優と対峙すると、どうしてもその情熱が悪目立ちしてしまったことです(一生懸命やっているのはわかるが一生懸命やっているのがわかっちゃイカンbyヤスオー)。
オープニングで「命を無駄にされるな!」みたいなことを叫んでいた官兵衛に軟派な戦国ものなのかと若干不安を抱いていたのですが、天下取りを決意した終盤の展開はゾクゾクするくらいブラック官兵衛だったこともあり、戦のさなかいきなり九郎右衛門がどうやら知己の間柄であったらしい割にいきなり登場した的場浩司に「死んではならぬ!」みたいなことを叫んでいたのには違和感を抱いてしまいました。おそらく冒頭の場面も最初の方に撮影されていたのでしょう。その部分だけ岡田くんのセリフ回しが浮いていましたから。
官兵衛が生きることに執着したのは、幽閉生活から甦った経験からくるものであり、地を這い泥を食んででも生き延びて本懐を遂げてこその天から授かった命、という意識があったからかもしれません。それは暗く冷たい石牢で生死をさまよった場面を経てこそ見ている者も実感できる主張であり、官兵衛の生涯を知らぬままでは生きることは素晴らしいという現代的な感覚で言わしめた命のやりとりがあたりまえの戦国時代とは矛盾する生命賛美にも聞こえてしまいます。最終的にはブラック官兵衛が魅力的でありすぎたために、ちょっと残念な演出でした。
さて来年は杉文という無名の女性が主人公の幕末大河。ウーン、『八重の桜』のようなオーソドックスな展開を期待します。まさか「実は文が維新の志士たちを世に送り出したのです!」はないとは思いますが…。

『マッサン』(承前)
悲しい展開を経て、ようやくダメダメマッサンがウィスキーを完成させることができました。最初は蛇足にも見えた英一郎とのエピソードも涙しました。ダメダメ期間がやや冗長なのが気になりましたが、朝ドラには避けて通れない停滞期間だったのでしょう。
年明けから舞台は余市にうつります。ダイジェスト番組を見ると、新たな登場人物も増えてにぎやかになるもよう。マッサンとエリーの夢のゆくえ、ピン子の心は融解するのか、鴨居社長はもう出てこないのか、あれこれ期待は深まるばかりです。
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自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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