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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『あしたの、喜多善男』

またまた、こんなおもしろいドラマにめぐりあえるなんて!

という感動を、毎週かみしめながら観ています。

マッタリの中に秘密のスパイスがうまくちりばめられていて、

一時間が長くも短くも感じません。

死ぬことを決めたとは思えない、のほほんとした主人公ですが、劇中ではむしろ脇役。

まわりに流され操られ利用され、でもやきもきしないのは、

その周りがあまりにもいきいきしているからです。

なぜか善男に好意を抱き、一緒に逃避行までしてしまう落ちこぼれアイドル・しのぶ。

あまったる~いしゃべりかたに、身勝手な行動の数々。

本来ならイラつく存在のはずなのに、なぜかその雰囲気にこちらまで呑みこまれてしまいました。

いい女優さんですね、吉高由里子。

昨日でひと段落したのでしょうか。まだまだ出てきてほしいです。

現実とオーバーラップしそうになる、「おやじがよく言ってたよ」が口癖の松田龍平は、

ホントいい役者に成長したなと思います。

『NANA』ではイマイチ感があったのですが、

このドラマでは早くから独立して頼りがいを見せつつも、

父親にはコンプレックスを抱えたまま成長してしまった、不安定な若者を好演しています。

父親の残した借金に苦しめられる恋人を、善男の保険金で救おうとしますが、

善男に情を寄せつつある平太と、AV出演にまで追い込まれているリカはすれ違う。

(余談ですが、借金取り役の俳優さんは、マジで怖かったです。

こういう脇の脇まで、行き届いたドラマです。

温水洋一を殺し屋に使ったり、平泉成を変態にさせる贅沢はこのドラマだけ!)

ふたりの行く末はどうなるのか。

そして、善男の元妻・みずほ。

彼女はなぜ善雄に対し、異様なまでの嫌悪を露わにするのか。

離婚後に再婚した夫は事故死。不審を感じその身辺を調査する杉本。

果たして、事故を装った殺人なのか否か。

善男の唯一の友人であり、かつみずほが「理想の人」と口にした三波は、

本当に11年前に死んでいるのか。

(んんー・・・もしかしたら、すでに登場している「あれ」が鍵のような気がするんですよね)

中盤を越えて、いろんな謎が一気に紐解かれてきました!

視聴率が5%だろうと、関係ない!

今からでも遅くありません、火曜10時は喜多善雄ワールドへGO!

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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