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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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思い立ったら梅ジャム作り。
圧力なべのおかげで煮るのが簡単なのはいいけれど…。
ここから、種を探り当ててひとつひとつすくいあげるのがたいへん。

砂糖は少なめで甘さ控えめです。
隣のコンロのパンが焼けたら、このジャムでいただきます。

そろそろ、なべの焦げ落とししないとなあ…。

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『エンジェル・ハート』
まあ、マンガだからな。というスタンスで展開はあまり気にせず気楽に視聴していました。
見どころは冴羽リョウの立ち姿が原作から飛び出してきたかのようなシンクロ度だったことと、香瑩のスタイルの素晴らしさ…くらいでしょうか。ただ上川隆也と三吉彩花のツーショットがどうしても親子に見えなくて、「パーパ、マーマ」が唐突なように聞こえました。確かに年齢差は親子ほどにありますが、三吉彩花は年齢より大人びていますし、上川隆也もまだまだ恋愛ドラマに出てもおかしくない風貌ですからね…最終回までは「まさか!?」と不安な心地で見ていました。しかし超がつくほど人気のあるキャラクターを演じ切った上川隆也の役者魂には感服です。次はWOWOWで『沈まぬ太陽』の主演だそうですが、渡辺謙に決して見劣らぬ恩地を演じてくれると思います。ぜひ地上波で再放送を。

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』
いやー、興奮と恐怖の全9回でした。最終回が気になって気になって仕方ないドラマはひさしぶりです。「どう見てもカラは怪しいのに、夕貴鈍感すぎ! 警察もこぞって無能すぎ!」とか「あんな再現度の高い整形できるわけないやん」とか、重要部分でのツッコミどころは多々ありますし(いちばんのツッコミは「それいらんやろ?」のバイク炎上)、カラが夕貴に整形したカラクリも監禁期間一ヶ月というヒントで何となく示されていたのでさして驚きもしなかったのですが、それでもハラハラドキドキしながら鑑賞できたのは、菜々緒演じるカラの魅力が120%発揮されていたからでしょう。演技力は拙くセリフ回しも固さがありましたが、無表情の大きな目が冷徹さを強調していてうまく相殺されていました。アクションも戦隊ヒーロー経験者の松坂桃李と遜色なくこなしていましたし、演出に救われたところも大きかったと思います。菜々緒をドラマで見たのははじめてだったので、AUのCMでも浦ちゃんの今後が気になってしまうほど悪役が印象づいてしまいました。
しかし、元男という予想は見事にはずしてしまいました。怪力はただのミスリードだったか…。
夕貴と里見のイチャイチャシーンはほほえましく見られました。最後救出された夕貴が里見に泣きながら謝る場面も良かったです。
今回のオチはドラマオリジナルだそうですが、原作のラストがどのようなものだったのか、読んでみたくなりました。
今年も12色の輝きが銀盤を鮮やかに彩ったフィギュアの祭典。
冬の到来を感じさせるとともに、いよいよシーズンが本番に入ったことに冷えた指先も熱くなります。

男子シングル。
いつも優しくやわらかい笑顔が印象的な村上大介選手。少し緊張していたでしょうか? ステップは見ている側が幸せになるような雰囲気を醸し出す稀有なスケーターだと思います。4―3を決められるようになれば、さらに見ごたえのあるプログラムになると思います。全日本では惹きこまれるような『Anniversary』を期待します。

パトリック・チャン選手はソチ以来の競技復帰ですが、他の追随を許さぬスピードとスケーティングのなめらかさは健在。休養明けを感じさせない王者の風格漂う彼の復活で、男子シングルの争いはますます激しさを増しています。

昨季までジュニアだったとは思えない金博洋選手の4ルッツは圧巻でした。まだ随所に甘さはありますが、スタミナや表現力をつけたらどこまで点数を伸ばすのか怖いくらいです。緊張していたのかジャンプはすべて成功できませんでしたが、シニアの舞台はまだ始まったばかり。絶対王者・羽生結弦の闘志に火をつけ、四回転時代にさらなる一石を投じた新星の、この先の成長を楽しみにしたいと思います。

一年一年、まるで出世魚のように姿かたちを変えていく宇野昌磨選手の成長ぶり。シニア初年の今季は、かわいい見た目からは想像つかない大人の演技を魅せてくれました。3アクセルの密度の濃さと四回転の質の高さに加え、『トゥーランドット』の最後の見せ場、クリムキンイーグルの盛り上がり。高橋大輔が引退し情感に満ちた演技を見せてくれる選手の不在を嘆いていましたが、ここに新たな輝きの誕生をしっかり示してくれました。全日本の熱い戦いがますます楽しみになりました。

羽生結弦選手はどこまで高みを目指し、そして登頂を果たすのか。そのゆく先はまぶしすぎて直視できない。こんな完璧なフィギュアスケートは見たことがありません。助走、ジャンプ、着地、スピン、ステップ、振り付けのすべての動作に、まるで音楽が合わせてきたかのような曲との調和。映画で安倍晴明を演じた狂言師・野村萬斎が口にしたように、ひとつの「型」を見ているようでした。あらゆる伝統芸能の世界で、後世に引き継がれてきた「型」。フィギュアというひとつの芸術にも通じているという言葉を、まだ21歳の青年が真摯に受け止め、それを体現したという事実もまた衝撃的でした。彼のフィギュアはそこまで達したのです。これから彼が追うものは彼自身の描く理想。あとの者は彼の背中を無我夢中で追いかけていくのみ。それが今の現実。競技界は、これからどんな様相を見せるのでしょうか。

ハビエル・フェルナンデス選手は地元の熱狂的な後押しを受けましたが、ショートでは羽生結弦の最高得点の興奮冷めやらぬ中、精神的に落ち着かなかったでしょうか。もったいない四回転の失敗でした。フェルナンデスでしか魅せられない情熱あふれるフラメンコの舞いと、髭を剃り落としてコミカルに演じる映画の場面が目に浮かぶようなフリー。男子髄一の男性的力強さがどちらの曲調にも不思議にマッチする、世界屈指のジャンパーでありアクターであるスケーターの演技は見るものを最後まで惹きつけてやみません。フリーの後、羽生結弦にひれ伏しておどける姿もふたりの関係性を物語る一場面でした。今回は水を開けられたものの、これからも男子シングル界の先頭に立つ存在には違いありません。ますますの切磋琢磨を期待します。

一方、女子シングル。
アシュリー・ワグナー選手のベテランらしい落ち着きと円熟味はますます深みを増しましたが、ショートとフリー両方をなかなか揃えられずもったいない印象です。それでも濃密なつなぎに惹きこまれ、まるで一本の短編映画を観賞したような満足感がありました。

エレーナ・ラジオノワ選手のまるで春の空を舞う妖精のような軽やかさは成長期という壁を迎えても変わりません。完成度の高さにも感嘆します。シニア三年目を迎え、年齢にはそぐわぬ落ち着きも備わり、人材豊富なロシア代表の座を一歩リードする存在です。妖精のようなイメージが定着しないうちに、次は重厚な演技も見てみたいと思わせる、今後が楽しみな若手選手です。

浅田真央選手。休養明けのシーズンで最高難度のプログラムに挑戦するあたりが、彼女の尊敬すべきアスリート精神です。『素敵なあなた』の誘惑の眼差し、『蝶々夫人』の哀しみの瞳、いずれも多彩な表情を持ち得るベテランならではの持ち味。しかし演技からはシーズン初戦にはなかった重たさを感じました。顔色も冴えないようでした。心からの笑顔は完璧な演技ができるまでのお預けとなりましたが、ファンはただそれを待つだけです。人気は衰えぬどころか復帰イヤーとあって加熱していますが、下の層も着実に育っていることですし、彼女には課せられるものも背負うべきものもありません。ただ自分の思う道を進んでほしい。ファンが望むのはそれだけです。

宮原知子選手は、技術力も表現力も天性以上にひたすら努力することで極めたひたむきな人。「努力は不可能を可能にする」という言葉を思いださせてくれる、現代の10代とは思えない真面目さが魅せる情熱のフラメンコ『ファイヤーダンス』と安らぎの『ため息』。柔軟な若さはどんどん成長曲線を描き、さまざまな要素を吸収していきます。もっと豊富な引き出しを見てみたい、今から来シーズンのプログラムが楽しみな選手です。

エフゲーニャ・メドベデワ選手は人材の宝庫・ロシアから参戦した新星。ロシアらしい芸術性と完成度の高い技術力、まるでバレエを鑑賞しているかのように演技に陶酔してしまいます。毎年のように新戦力が表彰台に上るロシア勢。いったいどれ程の才能が下にあふれているのだろうか…。

グレーシー・ゴールド選手がまだ20歳という事実には改めて驚きましたが、北米の伝統を受け継ぐ高い技術力が持ち味。繊細さと力強さに加え、リンク映えするビジュアルも魅力です。怪我のため棄権した昨年の悔しさを晴らしたかったところですが、惜しかった。今までの彼女のイメージにはなかった『火の鳥』は、完璧に舞うところを見てみたいと思わせるプログラムです。次に期待。

異次元の極地へ足を踏み入れた瞬間と、新たな息吹を目のあたりにした3日間でした。

さあ、クリスマスが終わる頃にはいよいよ全日本選手権。
2015年のラストを飾る彩りは、果たして何色なのでしょう。





あべのハルカスで開催されていた『フィラデルフィア美術館浮世絵名品展』。
「春信一番! 写楽二番!」という広告を見た瞬間、ピコーンと反応しました。
春信好きとしては、なんとしても行かねばならぬ。

その割には、展示期間終了間際にようやく来館。

浮世絵の歴史をたどりつつ、名作の数々を堪能できます。
しかもうれしいことに、絵画展のように額に飾られ壁かけで展示されているので、鼻先までくっつけて、繊細な曲線や色づかいをじっくり堪能できるのです!

春信の魅力は、男も女も細身で可憐なのに匂い立つような色気を感じられること。
歌麿や後世の浮世絵師のように、ぷっくりした感触を表現している画風も素晴らしいですが、春信の余分なものを削いだようなシンプルな曲線美も、タマランのです。
そして日常の何気ない風景からも、雨のにおい、夏の夕風、夜闇の重さ、そしてそこに生きる人びとの呼吸とぬくもりを感じ取れます。
それは春信以外の展示画も同じ。名画と呼ばれる数々の浮世絵に絵師たちが吹きこんだのは、当時の人びとの生命力と、太古から人びとが畏れ、崇めた自然の雄大美。
数百年の時を超えて五感に触れる生々しい命のいとなみ。
浮世絵のすばらしさは、そこにあります。

さて、錦絵誕生250年の今年はあちこちで浮世絵展が開催されました。
奈良県立美術館でも『浮世絵版画 美の大世界』展が。
 
入館料400円(実際は金券ショップで購入したのでもう少し安価)。正倉院展やハルカス美術館に較べると、安っ!
この価格(とわずかな客入り)でじっくりゆっくりどっぷり楽しめる浮世絵の数々、とくに『名所江戸百景』は素晴らしい見ごたえ。
個性的な図法や視点の位置から描かれた江戸の町並み。人びとの喧騒や船頭の声、鳥のさえずりが今にも聞こえてきそうです。
歌川広重は、安政の大地震をきっかけに『名所江戸百景』の作成に取りかかった、という説があります。
絵の隅にはお上の検閲が済んだ証の「改印」もついています。当時の浮世絵出版事情がうかがえて興味深いですが、復興祈念作品としての意味合いを持っていたということは、ただ単純に公序良俗に反するか否かだけをチェックしていたわけではなかったのでしょう。それを知っていれば、これらの絵はまた違う感慨をもって映ったことでしょう。
しかし…。
前回もそうだったのですが、ほとんどの絵はガラスケースの中に飾られています。
遠い!
細部までわからない!
うーん、絵画の展示方法は一考してほしいところです…。

版を重ねるごと色あいが異なってきて、一枚一枚違った風合いを見せるのもまた、浮世絵の魅力。
名を残すのは浮世絵師のみですが、もちろん複写印刷のない時代。浮世絵が現代に残され、我々がその美を堪能できているのは、彫師、摺師の高い技術があってこそだと思います。
名前が絵の隅に書かれていることもありますが、いったいどのような熟練の業師が著名な浮世絵の第一版を作りあげたのか…やはり緊張したのかなあ、彫刻刀が震えたりして…などと想像すると楽しくなります。その技術力もどこかでクローズアップしてくれないかなと思っています。

かつて永谷園のお茶漬けの袋に入っていた浮世絵のカードを集めていた私。
大学でも浮世絵の研究がしたかったのですが、どちらかというと美術の分野なのでセンスのない人間は早々にあきらめました。
こうして美術展に行ったり、本を読んだりして、ちまちま楽しんでいます。


『破裂』
椎名桔平が香村医師という複雑なキャラクターを真摯に演じたことによって、見ごたえのあるドラマになり得たと思います。香村は人類を救う夢の治療法の実用化に使命感を燃やす一方、研究のためなら医療ミスさえもみ消そうとする野心家の側面を持ち、父に捨てられた過去から息子に素直な愛情を向けられない不器用な父親でもあり、ひとことでは言い表せない多面性を持つ、いわば非常に人間くさい人間です。物語が展開していく中で、さまざまな事象と周囲の人びとに香村の思いは揺れ動かされ、それが行動の原理となってさらに新たな筋が広がっていくという、スリリングな展開もスッと心の中に入ってきて次週が待ち遠しくなる、完成されたサスペンスドラマでした。全7回という民放ドラマに較べると短い尺の中でも、話が矛盾することも詰めこみ感もなく、脚本と演出と演じ手が見事に調和していました。
滝藤賢一・仲代達矢が対峙した場面も緊迫感がありました。主役級三人の演技力がドラマの質をいっそう高めたと思います。倉木蓮太郎の遺作となった映画作品も、わずか数シーンでしたが倉木がそれに賭ける思いが伝わってきて、それ単体でスピンオフ公開してくれないだろうかと思うほど内容が気になりました。
認知症の母を抱え生死の選択のはざまで苦悩する厨を演じた甲本雅洋、怪しさ満載の小池役のモロ師岡、脇を固める俳優陣も充実していました。
原作は11年前に出版されたそうです。11年経った今も、増加していく高齢者問題はバラマキと緊縮をくり返し、解決の糸口すら見えません。
生きたい、と思う人間として当然の希求。
死にたい、と思う人間ならではの苦しみ。
夢の治療法から一転、悪夢のスパイラルを想起させるラストシーンが衝撃的でした。
死ぬために生まれたはずの人間に、なぜ生への執着心が備わってしまったのだろう。
神は人が人を殺めることを許さない。ならば乗り越えるしかない。本能に抗い死ぬことへの恐怖を。それが人に神から与えられた最期の試練なのだろう。



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