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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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アザーズ

とにかくニコール・キッドマンがきれいでした。

r081693751L.jpg ★★★★★☆☆☆☆☆ 

監督/アレハンドロ・アメナーバル

出演/ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、

     クリストファー・エクルストン

              (2001年・米、スペイン、フランス)

 この映画は、古い屋敷に暮らす、美しい母親グレースと2人の子どもの話です。2人の子どもが重度の光アレルギーなので、この屋敷の部屋はいつも真っ暗で、家族は蝋燭の光だけを頼りに生活をしています。外にもほとんど出ることがないため、外界から孤立した屋敷です。ある日グレースは3人の使用人を雇うのですが、彼らはどこか裏がありそうな雰囲気です。誰もいないはずの部屋でピアノの音が聞こえたり、誰もいないはずの階上で物音が聞こえたり、と不思議な現象が屋敷に起こり始めます。娘のアンはビクターという名前の少年と、その両親、そして老婆がこの屋敷にはいるのだと言い張りますが、グレースは子どもの想像と決め付けます。そんな中、戦争へ行き行方不明となっていたグレースの夫のチャールズが、突然帰ってきます。

 こんな感じの謎めいたストーリーなんですが、すべての謎はラストで解き明かされますね。いわゆる「衝撃のラスト」がある映画です。しかし、そのラストのオチがですね、僕の大好きな競馬で言うと、「競馬でディープインパクトが勝った皐月賞で2着に入った競走馬と同じ名前の映画」に限りなく似ているんですよ。というかまったく一緒ですね。だから、「何や。あれと同じかい。」と思っただけで衝撃はなかったですね。

 「競馬でディープインパクトが勝った皐月賞で2着に入った競走馬と同じ名前の映画」をパクっているわけではないんでしょうし、そんな風に感じてしまうのはいけないんですが、このオチだとどうしても二番煎じ的な印象を感じてしまいます。だからこの映画はちょっと損してる感じがしますね。

 使用人達の誰かが何か良からぬことをたくらんでいて、幽霊騒ぎもそいつらの仕組んだ芝居だった、みたいなベタな話にした方がまだマシだったと思うんですけどね。この映画は3人の使用人はあまり登場する意味がないような気がしますし。

 子どもたちにとって父親であるチャールズも、使用人と同じく完璧なおまけキャラで別に出てこんくてもいい存在なんですけど、ラストのオチをふまえて考えると、こいつはなかなか味のある存在ですよ。こいつが途中で帰って来るというのは、なかなかのん気で面白いですね。


 この映画の評価は★5ぐらいですね。「競馬でディープインパクトが勝った皐月賞で2着に入った競走馬と同じ名前の映画」を僕が見ていなかったら、間違いなく評価はずっと上だったんですけど。

 この監督は白黒写真の使い方や小さな音の使い方など表現がすごく上手だと思います。だから、この映画はグロテスクなシーンは一切ないのにけっこう怖いです。中盤の何が起こるか分からない雰囲気は、まさにお化け屋敷にいてるような感じですね。ストーリーもうまいことまとまってますし、なかなかいい監督ですよ。二番煎じ的な印象を感じるオチ以外は、この映画は文句をつけるところがありません。

 主人公のグレースを演じるニコール・キッドマンも、とてもきれいですしね。僕はオシャレとかはまったく分からないんですが、服も良かったです。スタイルがいいのが際立ってましたし、品もありました。僕はニコール・キッドマンは元々きれいだと思っていたし、わりと好きな女優だったのですが、この映画を見てすごく好きな女優になりましたね。子役の2人も、特に何もしてなくてもなぜか見てて怖いので、ホラー映画にぴったりのなかなかいい子役を選んできたなと思います。

 

 




<アザーズ 解説>

1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。

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