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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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私が読むファッション雑誌には、毎号必ず「着まわし」特集がありまして、

「24歳・アパレル勤務・彼氏募集中」や「28歳・映画会社勤務・彼氏と交際3年目」というOLが、

上から下まで〇種類限定で、〇週間着まわしちゃう! というものです。

「今日は残業だから動きやすく」や「会議だからビシッと」というコンセプトに基づき、

限られた服装をお洒落にアレンジしつつも、

仕事で失敗して落ち込んだり、友達が出産したりの日々を過ごし、

最終日には同期の男の子とめでたく交際が始まったり、彼に結婚を申し込まれたりするという、

ちょっとしたストーリー仕立てにもなっているのですが、

ま、そんな小咄は読者にとっては(たぶん)どーでもいいのです。

「あ、このスカートかわいいなあ」や「ふむふむ、ストールはこうやって巻くのね」と、

目で楽しみ知識を仕入れる、それだけのこと。

この作品も、そういう雰囲気を味わう映画です。

ジャーナリスト志望の主人公・アンディが、「1年我慢すれば道は開ける」と、

なんの興味もないファッション雑誌の編集長・ミランダのアシスタントとなり、

鬼女のような彼女の無理難題に翻弄される物語。

周囲にクスクス笑われるほど野暮ったかった主人公が一念発起してお洒落に目覚め、

雑誌のページをめくるがごとくクルクル入れ替わるファッションは、

本当にまばゆくて楽しい。

「女はいつも美しく」は、いろんなところで聴く言葉です。

ピンヒールを履けば自然と背筋が伸びる。

高価な服を身に纏えば、自然と立ち居振舞いも高貴になる。

わかってはいるんですけどね。

ピンヒールよりもローファーです。

ナイトガウンよりもパーカーです。

ダメ出しされる要素だらけの人間です。

ピーコさんが、「おしゃれはガマンよ!」とどこかで言っていましたが、

お洒落のためにチーズをかじってダイエットに励む同僚、

お洒落のために離婚・再婚をくり返すミランダ。

そんな彼女たちに反発していたはずのアンディも、気づけば彼氏に愛想をつかされ。

カマンしてまで美しく飾らなければいけないことが幸せならば、それもいいかもしれません。

たまには背伸びしてみたくもなりますが、

自分は自分の居心地のいい場所で、自分が大切と思う人に褒めてもらえる範囲のお洒落で、満足です。

ちなみにアンディは、野暮ったい時もじゅうぶんにかわいいのですが、

お洒落モードに変身した時の美しさは見事ですね。

緑のコートと、最後に着ていたドレスが素敵でした。

ミランダを演じたメリル・ストリープ、迫力充分です。

すっぴんで泣く場面、お肌トゥルトゥル! ドレスの開いた胸元も透けそうな白さ!

ひゃー、ビックリです。

ま、そういうところを楽しむ映画でしょう。

評価:★★★☆(3.5)

 

 

<おまけ:ヤスオーのシネマ坊主>

 

 この映画のように、明らかに女性をターゲットにしてる映画は、僕は今までに見た記憶がないです。どうせ内容の薄っぺらい、見てる女どもを気持ち良くさせることだけに終始しているショボい映画だろう、と見る前から思ってしまうからです。だから今回このような映画を見る機会を与えてくれた、「毎週1回2人で同じ映画を見る」というイベントに感謝しています。まあ退屈はしなかったし、映画としての出来はなかなかのものだと思うので、★3は付けますが、決して好きな映画ではないです。主人公に共感できないというのが痛かったですね。僕とは思想信条が違う人が見たら面白いのかもしれません。

 

 まずファッションに興味がある人間をバカにしている思想の持ち主だったくせに、ファッション誌の編集部に入るところがイラつきます。自分のやりたい仕事に就くためのコネ作りが入社の理由らしいですが、それだけが理由ならただ狡猾なだけですね。ファッションに対しての熱い思いを持っていて、心の底からその業界で働きたい人に対して失礼な話でしょう。ブスでとろくさいけど、ファッションに対する知識や情熱は誰にも負けないような人が主人公だったら、見てるこっちもよっぽど応援できるんですけどね。しかしまあこの主人公は美人で頭もいいから、ちょっとやる気だしたらファッション業界でも一人前になっていくんですよ。そりゃ顔も頭も良い女だったらどんな業界でも成功するでしょうよ。映画でわざわざ描かなくても社会を見れば十分に分かることです。実話に基づいているらしいのである意味リアルといえばリアルですが、それならアン・ハサウェイ演じる主人公が、見かけも野暮ったくて金もなさそうで性格も女々しい男と付き合っているという、現実感のない描写をどうにかしろという話ですよ。アン・ハサウェイみたいな容姿だったら、地味な服を着てても男はわんさか寄ってくるでしょうからね。

 

 最後にはこの主人公はファッション業界を捨てて、元々自分のやりたかった仕事に就きます。辞める理由として、仕事は出来るが家庭がギクシャクしている編集長に、「私と似ている」と言われて、「私はあなたのように仕事のために他のすべてを犠牲にして生きたくはない。人生は仕事も恋も大事なんだ。」と主人公が気づいたからみたいなことが描かれていますが、こんなん僕には到底納得できないですね。こんなせちがらい世の中で、今どきこんなぬらっとしたやり口で、働く独身女性に夢や勇気を与えることができるのでしょうか。

 

 

 主役のアン・ハサウェイはキレイですね。野暮ったくてもキレイだし、オシャレをしてもキレイですね。世の中の女性の容姿の平均が50点だとしたら、オシャレする前が96点で、オシャレしたら99点ですかね。メリル・ストリープの演技も上手いです。他の映画でもこの人は上手いですけど。

 

評価:★3/(★5で満点)  

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