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奇妙で風変わりな医者や看護婦、患者までが少しエキセントリックな、とある病院が舞台の物語。
元社長で偏屈じいさんの大貫は病院内の嫌われ者。ある日、庭で絵本を読む少女と出会う。パコと名乗った彼女は翌日も大貫の前に現れた。しかも探しまわっていた彼の純金のライターを持って。激怒してパコの頬を張り飛ばした大貫は、直後に医者から驚くべき事実を聞かされる。誕生日の前日に事故で両親を亡くしたパコは、自身もその後遺症で、一日しか記憶を保てないという。母親から誕生日プレゼントとしてもらった絵本を、毎日のように見せにきては、大貫の名を尋ねるパコ。大貫の心にも、少しずつ変化が訪れていく。
『下妻物語』、『嫌われ松子の一生』など色彩鮮やかな世界観で魅せてくれた中島哲也監督。今回はシンプルでハートフルなストーリーを、個性的な俳優陣と見事なCG技術で、スピーディかつファンタジックに展開させています。
誰がどこで主役を張ってもおかしくないくらいのキャストは、間違えるとごった煮になるところ、コスプレまがいの演出で誰が誰だかわかりにくくさせているところが妙です。重力に逆らった髪と髭の役所広司は面影がないし、小池栄子はもはや人間かどうかもあやしい。これほどナース服が似合うヤンキーは土屋アンナしか思いつきませんし、実力派若手の加瀬亮もスパイスがきいています。妻夫木も一瞬オダギリジョーかと思うくらいにハマっていました。阿部サダヲや上川隆也がベタベタなギャグを次々繰り出しますが、鼻にはつきません。舞台で培った間のとらえ方でしょう。テレビではあまり見せない三枚目役ですが、キャラメル俳優上川隆也を見慣れた目には懐かしく映ります。
絵本の内容は、いわゆる絵本チックな物語ですが、大人でも楽しめる迫力のCGで劇中劇を盛り上げてくれます。ラストへの流れは、映画のストーリーをとしては容易に想像がつくので、陳腐と言えば陳腐かもしれません。が、中島監督の魅力は文字で書かれた原作・脚本に立体感と色彩感を与える、無限の創造力であると思います。
まるでカラフルなパレードを見ているような二時間でした。
評価:★★★★☆(3.8)
~ヤスオーのシネマ坊主<第2部>~
この映画はけっこう評判がいいみたいなんですが、そんなに面白いですかね。僕は全然でした。笑いと泣きの両方を狙っているみたいなんですが、両方ダメだと思います。特に最初の方はダメでした。どうも一風変わった世界観で繰り広げられるドタバタコメディのようなんですが、全然面白くないし。完全にただの悪ノリ映画だと思いましたから。前回の20世紀少年と同じく見るのを止めようと思ったぐらいです。この監督が「下妻物語」というわりと僕が良い評価の監督だと知っていたから、我慢して観続けましたけど。
ただ、さすが「下妻物語」の監督だけあって、僕がある程度世界観に馴染んできたら、登場人物の設定やストーリー構成はしっかりしておりテンポも悪くないので、その後は苦痛なく見ることができました。ただ、笑えるわけでもなく、泣けるわけでもない。笑いはまあ僕がひねた笑いが好きなので好き嫌いの問題として、泣きという面でも、あまりにもクサすぎてまったく感動しませんでした。こんな見え透いたお涙頂戴の話でみんな泣くんでしょうか。吉本新喜劇と同レベルだと思いますよ。最初笑かして最後泣かすという狙いも同じだし。もちろん僕は吉本新喜劇も好きではありません。
この映画のミソは、性格の悪いジジイが純粋な少女に出会って改心するところだと思うのですが、この改心のきっかけが致命的に弱いですしね。あんな年まで悪人として生きているくせに心を開くのが早すぎると思います。他の出演者のエピソードも、セリフとの絡ませ方にテクニックは感じますが何の感動も呼びません。そういうところはこの監督は三谷幸喜に似てますかね。才能はあるんですが魂がないみたいな。パコが毎日枕元で誕生日プレゼントの絵本を発見するという設定はすごくいいし、僕はこういう小さい女の子の出てくる話に弱いのに、残念ですね。
パコ役の女の子はルックスはすごくいいしこの映画にも合っていますが、演技が下手です。そこも僕の感動を呼ばない一つの原因だと思います。
評価(★×10で満点):★★★