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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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図書館かどこかでだったか、広告を目にしたこの展覧会。

なぜだかポスターの絵を目にした時、ふっと心に入ってきたのです。

「あ、これは行きたいかも」

そう思った時にすぐ出向けば良かったものを、「まだ日もあるし」と余裕をぶっこいてしまったのが仇をなし、余裕がなくなって気づけば終了まであとわずか。

あわてて行ってきました。

場所は奈良県立美術館。

奈良県庁の裏という立地のせいか、いつも閑散としています。

展示の内容もあるかもしれませんが、休日でも正倉院展のようにぎゅうぎゅうに混み合うことはまずありません。

ところが、この藤城清治展、なんと今まで40年かけて500万人を突破したばかりの来館者が、開幕一ヶ月あまりで3万人を超えたという、異例の人気ぶりなのです。

ふっと「行きたい」と思った時の直感は、大事にしなければいけません・・・。

 

県立美術館ではじめて、入館するのに並びました。10分くらいですが。

入館しても混雑は続きますが、通路が狭いので正倉院展のように何も見えないということはありません。

間近で、その精巧な切り絵の数々を堪能することができました。

 

わざわざ、この展覧会のために奈良を訪れ作られた新作もありました。

一階から二階への壁一面に飾られた絵もありました。

御年88歳。サイン会も終盤は毎日のように開催されています。私が入館したのは夕方でしたが、もうとっくに時間は過ぎているはずなのに、長蛇の列に並ぶひとりひとりと言葉を交わしながら、サインをされていました。

 

光あれば、影があり。

世界はそのふたつでできている。

絵の向こうには、柔らかな色彩とぬくもりと風と水にあふれたもうひとつの世界があって。

そこではこびとや動物たちが音楽を奏で歌を歌い、舞い散る木の葉とともに踊る。

そっちに行きたいと、思ってしまう。

 

さまざまな作品のひとつひとつに魅入られ感動し涙を浮かべ、時間を忘れてしまいました。

これは足が勝手にグッズ売り場に向かいます。

絵が欲しい! でもあたりまえですが高くて手が出せません。

図録も高くて断念。で、安価なグッズを眺めていたら、絵ハガキやらマウスパッドやらクリアホルダーやらついつい手に取ってしまい・・・。

120623_215749.jpg

 

 

 

 

 

結局図録を買うのとほとんど値段が変わらなかったという・・・。

 

もっと早くに、時間がある時に行っていれば、おそらくもう一度来館したと思います。

とくに心を揺さぶられたのは、原爆ドームの上に飛ぶ折り鶴たちでした。作品にこめられた作者の思いを感じました。

もちろん、絵ハガキを買いました。

 

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