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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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毎回ながら、なんとかならんのかいなと思うのはフィギュア中継。

じっくり放送してくれるのはありがたいのですが、どうしてああもあおるのでしょうか?

話題づくりのためとはいえ、「ライバル対決!」だの「トリプルアクセル2回!」だの「世界選手権連覇!」だの。

競技に集中させてあげてよ、と哀しくなってしまいます。

ちゃんと観ているあたり、テレビ局の思うツボなのですが。

 

で、世界選手権。

トリノの前からファンだった村主選手の演技。

若手の台頭する中、ベテランの味で勝ち得た出場でしたが、緊張していたのでしょうか。

いつもの情緒あふれるスケーティングが影をひそめてしまいましたね。

でもまだあきらめないで。来シーズンも、期待しています。

 

安藤選手のフリーには感動しました。

『ジゼル』や『カルメン』のような、情熱を秘めたストーリー展開に魅力を感じていたので、

曲を変更してからの演技には、少し物足りなさを感じていたのですが、

今回あらためて観て、発見がありました。

物語性のある曲はまず音楽ありきで、音楽世界に乗せた演技の中での表現美のように思いますが、

今回は安藤選手の美しい演技が、メロディーをさらに深みのあるものにしていました。

叙情的ではなく、叙事的と言ってもいいかもしれません。

指先ひとつひとつ、しなやかな身体の曲線、力強いジャンプやステップが、

安藤選手ならではの『オルガン』ストーリーを新たに作り上げていたのです。

大人の演技での復活。

安藤選手のオリンピックに、期待せずにはいられません。

 

自分でデザインしたというピンクのリボンの衣装がついこの間のことのような。

黒から替えたというボルドーも大人色。

「真央ちゃん」と呼ぶのが少し不釣り合いになってきた浅田選手ですが、

世界でも数人しか飛べない難度のトリプルアクセルをポンポン飛ぶものだから、

ついつい期待してしまうのも無理はないかもしれません。

でも、こういう時もありますよね。今は自分の演技に集中してほしいです。

それでもあの超絶技巧ストレートラインステップは、ため息しか出てきません。

 

しかし、今回はなんといってもキムヨナ選手。

まるでなにかの糸に操られたかのような、精緻で美しいジャンプ。

去年の苦しみを脱して、のびやかに、華麗に舞うその姿に、呑みこまれてしまいそうでした。

200点は正直出すぎかなとは思うのですが・・・まあ、採点方法自体が不透明ですから・・・。

それでも圧倒的でしたね。追随を許さない、完璧な演技でした。

スゴイ。

 

来年はどんなプログラムで迎えてくれるのか。本当に楽しみです。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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