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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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昨夜は年に一度のお楽しみ、

尺八リサイタルでした。

一年ぶりの先生の音が、京の雨の夜に朗々と舞い上ります。

 

『瀧落』

伊豆・修善寺にある旭滝が発祥と言われている古典本曲。

題名通り流れ落ちる滝を表現しています。

自然のあるがままの姿。素朴で、神聖で、圧倒的で。

長管の筒音の雑味を含んだ重い響き。

知らぬ間にこの音に惹かれていたことを思い出しました。

世の中あまたある楽器の中でどうしてピアノでもバイオリンでも筝でもなく、

尺八を選んだのか。

やはり、この音が好きだから。

ただ感覚がその世界を欲したから。

理由なんて、ないのです。

ただその音に身をまかせ。

 

『七小町』

小野小町を題材とした七題からなる手事物。筝と三絃の三曲合奏でした。

舞台の背景に歌詞が浮かび上がって、目線が上下。

軽快な手事のタッチに縦書楽譜の暗号がよみがえりました。

 

『飛天~尺八独奏のための~』

時に風、時に水、時に炎。

一本の竹から生み出された世界はくるくるとかたちを変えて空を翔る。

その音には翼が見えました。

演奏終了時に会場からはため息が。

 

『箏四重奏』

船川利夫作曲の筝Ⅰ・Ⅱ・十七絃・尺八による合奏曲。

はじめて聴いた時、全三楽章のカッチョよさ(竹の持ちかえもポイント高し)に、

「いつかやりたい!」と感動したのですが、やることなく終わってしまいました。

人生二度めの四重奏、やっぱりカッチョよかった。

 

10年連続のリサイタルも半分まで来たとのこと。

パンフレットの月が満ちてきた・・・と言われてはじめて気づきました;

本当だ。

 

次回のプログラムも楽しみです♪♪

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