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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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監督:ロバート・ロドリゲス、脚本:クエンティン・タランティーノ、

出演:ジョージ・クルーニー、ハーヴェイ・カイテル、ジュリエット・ルイス。

これを聞いて期待しないわけにはいきません。

銀行強盗で追われているゲッコー兄弟は、モーテルで行き合わせた牧師一家を人質に、

彼らのトレーラーハウスでメキシコ行きを企てます。

豪胆でクールな兄と、変態で神経質な弟。冒頭でいきなり始まる銃撃戦。

アクションは苦手ですが、ちょっとダンディズムの匂いがするので、

一気に引き込まれてしまいました。

厄難に巻き込まれた一家の行く末、検問のハラハラ感、

中盤まではこんなおもしろい映画はひさしぶり! と胸高鳴らせて観ていました。

・・・・・・が。

後半からは(@д@)

何何!? いったい何が起きたっていうの!? なんでこんなことになっちゃうの!?

イヤハヤまさかこんな展開になるなんて・・・いったい誰が想像できたでしょう。

その中でも、クールでダンディなジョージ・クルーニーは天晴。惚れました。

それにしても、

この映画を無名監督が撮影し無名俳優が出演していたとしても、

同じ評価を受けていたのでしょうか。

評価:★★☆☆(2.5)

 

<おまけ:ヤスオーのシネマ坊主>

 

 こんなにバカな映画は久しぶりに見ましたね。さや氏の感想が今回非常に短いですが、そりゃそうでしょう。こんな映画の感想を真面目に語っても仕方ないですよ。B級映画が好きで好きで仕方ないロドリゲスとタランティーノが、自分たちのやりたいことをフィルムに乗せてるだけですから。最初バイオレンスアクション映画と思わせといて、途中で突然作風が変わり、それまでとはまったく違う映画になるんですが、後半は明らかにB級ホラー映画のノリです。登場人物達は何の違和感も感じさせず後半の世界にも溶け込んで頑張っていますが、こちらは何でこんな展開になったんだろうとただただ唖然とするばかりでした。

 

 しかし、僕のように何の前知識もなしに見た人は、100人中100人が他の映画にはない驚きを得られますから、一度は見る価値はあると思いますよ。この映画のタイトルの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」というのは酒場の名前なんですが、この酒場の猥雑な雰囲気なんかは大好きですよ。「プッシー、プッシー」と大声で連呼する呼び込みのオヤジや、局部にミニガンを装着している「セックスマシーン」というフザけた名前のオッサンなんかは本当にバカすぎて面白かったし、地獄のサンタニコの踊りもエロくて良かったです。

 

 それに、後半で突如ストーリーをムチャクチャにするというアイデアは、この映画ではしっかりと活かされていると思いますよ。前半の緊張感と後半のグダグダにきちんと落差がありますから。前半もグダグダだと明らかな駄作となっていたところですけど。前半の緊張感の源はタランティーノが演じたゲッコー兄弟の弟です。こいつがとにかく狂っていて、後半に出てくる〇〇鬼よりも明らかに怖くて、いつジュリエット・ルイスに襲いかかるのかとハラハラしていました。タランティーノは演技は上手くなかったんですが、狂人の雰囲気がよく出ていましたね。対照的にゲッコー兄弟の兄を演じたジョージ・クルーニーはカッコ良く見えました。彼が画面に映るだけでこちらに安心感を与えてくれました。彼はしょうもない映画ばかり出てるので僕の評価はそんなに高くなかったですが、訂正します。カッコいいし存在感もあります。

 

 この映画の評価は「まあまあ良い」ぐらいですかね。それでも僕が見たタランティーノ作品の中では一番良かったですね。世間では「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」がタランティーノ作品の中で名作と呼ばれていますが、僕はこの両作のどこをみんな面白がっているのかがさっぱり分かりませんから。しょうもない雑談が延々と続くだけの退屈な映画だと思います。

 

評価:★3/(★5で満点)  

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