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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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今年の夏の甲子園、奈良県代表校が決定しました。

智弁・・・ではなかったー!

準決勝は、大番狂わせでした。

トーナメント表を見てまず思ったのは、「これは天理と智弁の決勝だな・・・」でした。

意外に、天理-智弁の決勝は少ないのですよね。今年はめずらしいそれを観られるのではないかと思っていたのですが。

 

昨年ベスト4の畝傍が、大金星を挙げました。

といっては失礼です。さすが接戦を勝ち抜いてきただけあって、平幕以上の力がありました。

智弁はプレッシャーからカチコチになっていた以上に、青山・小野をはじめとする超高校生級の選手たちの能力をチームとして生かすことができていないように感じました。そうした隙につけこんだ畝傍の頭脳的采配(さすが奈良県下トップクラスの進学校)が光りました。百合監督の含みのある笑顔やオーバーアクションは、上甲監督や木内監督を彷彿とさせます。甲子園に出場していたら、話題になっていたでしょう。

 

しかし、甲子園に出場するには、知力体力時の運にくわえ、「勝ち方を知っていること」も必要条件になるわけで。

天理を率いて全国制覇を二度なしとげた橋本監督は、やはり選手の動かし方、チームの作り方を知っています。

エース中谷は逸材ですが、それ以外は強打・堅守といった天理のイメージからはほんの少し見劣りする選手ばかり。それでも、彼らがチームとしてひとつにまとまり、「勝ち」につながるようなプレーをすれば、それはすなわち橋本監督が導いた甲子園への道となるわけです。

 

優勝おめでとう。全力での戦いを、夢の舞台でくり広げられますように。

 

試合後号泣していた青山くん。天理戦を見据え先発回避された準決勝は、悔いの残る結果となってしまいました。伸びのあるストレートは圧倒的で、全国レベルでも群を抜いていました。プロへ行くのか、大学で身体づくりか、今はまだその決断を下す時ではありませんが、彼の将来が華々しく輝くことを祈ります。

 

今年の奈良大会は印象深い新風が多く、楽しめました。

畝傍のロングリリーフは2年生。監督の存在も含めて、来年また、上位をかき回す不気味な存在となる気がします。

もうひとつのベスト4、橿原学院のバッティングの良さには驚きました。大会注目の一条のエースを粉砕し、シード校奈良大附を倒した登美が丘に打ち勝ち、天理もあと一歩まで追い詰めました。もうひとり主戦級の投手がいれば、決勝進出も夢ではなかったでしょう。添上のエースもまた、強豪を相手にひとりで投げ抜いた姿が印象的でした。我が家では、「橿学の打線に、橿学と添上の両エース、畝傍のキャッチャーが加われば、天理に勝てた」と言っていました。


 



 


 

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