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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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さあ、4年に一度の祭典が、いよいよ始まりました!

 

開会式はがんばって起きて観たものの、あとはすべて観戦するに至らず・・・。

といっても、柔道は寝るか寝ないか微妙な時間帯のため、ついつい夜更かししてしまいます。

少し残念な思いで毎晩床につきます。

 

『YAWARA!』を愛読して興味を持ち、毎大会楽しみにしていた競技ですが、今回は少し様相が異なります。

その兆候はすでに北京でも露わになってはいましたが、それでも日本人選手が世界の強豪選手に対し真っ向から組みとめ一本を狙い続け、そのスタイルを貫いて勝利をおさめる姿を誇りに思っていました。しかし国際化の波は柔道発祥の地すら容赦なく呑み込みます。「道」を重んじる日本人古来の精神は海外には浸透せず、柔道はすでにJUDOという、別の競技になってしまったのだと感じざるをえません。かててくわえて審判の技術の稚拙さ。今大会、何度判定がひっくり返る瞬間をまのあたりにしたでしょう。それにより日本を応援していて悔しい思いもすれば救われたこともありますし、海外同士の選手の試合であっても、苛立つことは少なくありません。

柔道はJUDOを再び越えることができるのか。日本柔道界は今岐路に立たされているのだと感じます。

 

逆境において苦戦をしいられた選手たちには、どうか「申し訳ない」という言葉は口にせず、柔の道を貫き通した誇りを持って日本に帰ってきてほしいと思います。

 

柔道と同じく、前半戦メダルを量産している競泳。数年前とは比べものにならないほど、日本競泳界のレベルが上がっているのだと感じました。体格で劣る日本人でも、バタフライのようなフィジカルなジャンルで世界と戦えるのだと思うと、選手の想像を絶する努力にはありったけの賛辞を贈りたいと思います。

寺川選手、入江選手のような苦汁の日々を送った選手の活躍にはもらい泣きを禁じえませんが、中でももっとも注目を集めたのが、前人未踏の3連覇をかけた北島選手。

結果は表彰台には届きませんでしたが、200mのレースには胸が詰まりました。

序盤から攻めて、攻めて、攻めて、世界記録水準で折り返し、最後の最後まで、力をふり絞り。

その2分8秒ちょっとは、まぎれもなく北島選手の4年間の言い尽くせぬ努力の結実であり、最高の栄誉の果てに、それを一度置いてまで追ったものでした。メダルなどなくても、彼の築いた栄光は色あせず、それを目指して数多くの選手がこれからも生まれていくことでしょう。まずはずっと追い続けた背中を飛び越えたのが立石選手でした。彼への北島選手の賞賛の受け止めかたについて、お昼の番組で田中雅美元選手が、他のコメンテーターが驚いて少しひいてしまうほど必死に説明しようとしていたのが印象的でした。同じ競技に取り組んだ者として、感じるところがあったのでしょう。

 

「プレッシャーを感じたことはない」という言動だけが先回りして、期待を一身に集め、それを黙って受け止め続けたのが体操の内村選手。競技に入って抱いた「違和感」、それこそが、もしかしたらはじめてのプレッシャーだったのかもしれません。

アテネ以来の団体金は持ち越しとなりましたが、個人総合での見事な演技は、プレッシャーをはねのけた本来の雄姿でした。これからも、内村航平の進化はまだまだ続き、もっともっと強く美しくなるような気がしてなりません。

 

アーチェリーでは普通の女の子のきゃぴきゃぴした笑顔があったり、サッカーは男女で盛り上がっていたり、悔しい涙があったり、笑顔があったり。一緒になって泣いたり笑ったり。

オリンピックはまだまだこれから。

まだまだ楽しみます!


 


 



 


 

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