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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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非常に評価の高いフランス映画ですが、私にはイマイチ魅力がわかりませんでした。

「バカ」を集めてパーティーを開き「バカ」を「バカ」にして楽しむのが趣味という主人公と、

その期待を裏切るどころか予想を遥かに超えた「バカ」っぷりを繰り広げる招待客との、

ずばり、ブラックなコメディです。

エリートサラリーマンのブロシャンはお金はあるけど浮気はするし趣味も最悪。

だが、お眼鏡にかなう「バカ」として招かれたピニョンのKYぶりも負けてはいない。

ギックリ腰で動けないブロシャンへ追い打ちをかけるがごとく、

ピニョンが次々と災難を巻き起こします。

しかし最低男のブロシャンに同情はできない、

かといってピニョンの行動は道化にしては度を越していて哀れみを憶えるほど。

笑うべきところなのに、まったく笑えませんでした。

ブロシャンにしてもピニョンにしても、どこかクールに描かれていて、

感情移入できるキャラクターではありません。

フランス映画は、時に描写が露骨で、

「バカ」は「バカ」とはっきり言いきってしまうところは、

オブラートに包むことに慣れた純日本育ちの私には受け入れられないところです。

ラスト5分は切なくて、目を惹いたのはその部分だけです。

愛想をつかして出ていくブロシャンの妻だけが、

唯一感情移入できるところでした。

テンポ良くほぼ密室劇なので、

舞台で観ればおもしろいかもしれません。

評価:★★★☆☆

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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