忍者ブログ
おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

空中庭園
 

これは女性向きの映画なんでしょうね。

 

r087595062L.jpg ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

監督/豊田利晃

出演/小泉今日子、鈴木杏、板尾創路

 (2005年・日)


 「家族の中では隠し事をしない」というのは、幸せな家庭を守るために絵里子が決めた京橋家のルールです。しかし、現実には家族はそれぞれ秘密を持っています。夫の貴史は麻子とミーナという二人の愛人がおり、浮気三昧の生活です。いつも明るい娘のマナは学校でイジメられており、ショッピングモールでいつもブラブラして学校はサボリがちです。いつも無気力な息子のコウも学校にまともに行っておらず、子どもは2人とも不登校の状態です。そして絵里子自身も自分の過去や母親との関係にトラウマがあり、それを解消できないでいました。

 そんなに出来は悪い映画じゃないと思うんですけど、イマイチ話に入っていけなかったですね。ストーリーとしては小泉今日子演じる絵里子が、勝手に家族間の変なルールを作ってその結果自分も他人も傷つけてあげくに1人でキレてるだけの映画です。

 絵里子以外の家族は僕から見ると本当にまともですからね。当然のことですがそれぞれに秘密を抱えているんですけど、だからといって絵里子のことを嫌っているわけじゃないんです。バスに乗っているシーンで貴史がマナに、「仕事を必死にがんばって、団地の家族の生活を必死に守る。ちゃんと毎日家にも帰る。これは愛がなければ出来ないだろ。」みたいなことを言うんです。自分の子ども相手だからもちろんきれいごとを言ってるだけかもしれないんですが、僕は額面通りに受け止め、ちょっと感動してしまいましたよ。この映画で唯一共感できたシーンです。絵里子はこの旦那とのキスすら拒否し、5年もセックスレスが続いているんですよ。そりゃ貴史が浮気するのもしょうがないですよ。

 絵里子にとって家族を作るということはすべて計算であり、こいつは自分の生理周期を把握したうえで計画的に貴史をホテルに誘うようなたちの悪い女ですからね。人に対する愛とか情とかそういうのに欠けすぎていますよ。自分が他人を愛することができないから、他人が自分を愛するということも想像できなくて、とにかく他人に裏切られたくないということだけを考えて変なルールを作るんです。

 そしてそのルールを実はみんな破っていることに気づいているくせに、表面上だけでもルールを守ることにこだわっているんです。家族全員がそのルールをいいことだと思っているなら仕方ないかなと思うんですが、この映画では絵里子だけがしょうもない「学芸会」にこだわっていて、他の家族は彼女に仕方なく合わせているだけですからね。僕としても、「この女は頭おかしいなあ。」という感想しかありませんよ。 

 「母親に憎まれてると思っている。」というのがこいつの人を信じない性格を構成する要因になっているようですが、全然納得できないですよ。僕の母親は僕には「家におったらうっとうしいから大学からはずっと1人暮らししろ、遠い大学行け。」と言いますし、妹には「○○(僕の名前)に比べてお前は頭が悪すぎる。産むの1人でやめときゃ良かった。」とか普通に言いますからね。物心ついた時から今まで母親に愛されているなんて思ったことないですよ。かといって憎んだりもしないですし。親なんてある程度の年齢まで食わせてくれて、虐待さえされなければ、それだけで十分だと思いますけどね。

 まあ、女性が見たら、少しは絵里子の気持ちも分かるのかもしれないですけど、僕にはまったく理解できないです。この映画は完全に絵里子中心に描かれた映画なので、見てて面白くはなかったですね。点数はちょっと厳しいですが★1にします。

 出演陣はみんな良かったんですけどね。主演の小泉今日子ももちろん頑張っていたんですが、僕が一番いいなと思ったのは板尾ですかね。僕はお笑い芸人など異業種の人が俳優業をするのは好きじゃないんですが、この映画の板尾はふわふわした感じなのに存在感があるという、この人独特の味を出していました。他の映画に出てるのを見ても普通に演技が上手いし、役者としての資質があると思いますよ。

 




<空中庭園 解説>

  『青い春』の豊田利晃監督が、角田光代の第3回婦人公論文芸賞受賞作「空中庭園」を映画化したヒューマンドラマ。主演は『風花』以来4年ぶりの主演映画への復帰となる小泉今日子。1つの家族を取り巻く人間模様を通し、「家族愛」という普遍的なテーマを描いた作品。大楠道代とソニンのガチンコ勝負もさることながら、小泉今日子の絶叫シーンは必見。
 京橋家の娘・マナ(鈴木杏)は学校をさぼり気味で、弟・コウ(広田雅裕)も学校に行ってない様子。そして父・貴史(板尾創路)は浮気に忙しく、妻・絵里子(小泉今日子)は、母・さと子(大楠道代)との関係に悩んでいた

 

PR
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
さや
性別:
女性
自己紹介:
ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
ブログ内検索
バーコード
ATOM  
ATOM 
RSS  
RSS 
Copyright ©   風花の庭   All Rights Reserved
Design by MMIT  Powered by NINJA TOOLS
忍者ブログ [PR]