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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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シュレック
 

オリジナルへの愛情が感じられないパロディはダメです。

 

r081641282L.jpg ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ 

監督/アンドリュー・アダムソン、ヴィッキー・ジェンソン

声の出演/マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、
        キャメロン・ディアス

(2001年・米)

 森の奥の沼地で悠々自適に暮らしている緑色の大きな怪物、シュレックを主人公とした話です。彼は醜いし、汚いし、臭いし、いつも強面ぶっているけれど、本当は心は優しい怪物です。ある夜、彼の住んでいる沼地に、おとぎ話のキャラクター達が大勢押し寄せてきます。彼らはファークアード卿によって追放され、行き場がなくなってシュレックのところにやってきたそうです。気ままな独り暮らしを脅かされたくないシュレックは、ファークアード卿に掛け合いに行くことにします。

 この映画の他の映画にはない個性といえば、強烈なディズニーアニメへの皮肉です。シュレックは登場するやいきなり絵本でケツを拭くし、フィオナ姫というこの映画に出てくるお姫様が歌い始めると森の小鳥は爆死します。かっこいい王子様と美しいお姫様が登場し、お姫様が森で歌い始めると小鳥がさえずり、周りで動物たちのミュージカルが始まるような典型的なディズニーアニメを茶化しているのは良く分かります。ストーリーはディズニーアニメ「美女と野獣」のまったくの逆バージョンだし、ピノキオ、白雪姫、シンデレラ、3匹の子ぶたなどの、ディズニーアニメの印象が強いキャラクターのこの映画での扱いはひどいものです。
 
 こういうディズニーアニメへのパロディを「やってくれたな~。」と好感を持って受け止め、うんこやゲップなどの下品な表現をちゃんと笑える人なら、この映画の評価はそれなりに高いでしょうね。アメリカ人なんかはジョークが好きそうだし、向こうではかなりウケたんじゃないでしょうか。僕は下品な表現は気にしないですが、パロディには不快感を覚えましたね。

 僕はパロディという表現方法自体は嫌いじゃないんですけど、この映画のように元となっている作品に対する愛情が感じられない皮肉、批判のようなパロディは嫌いなんですよ。この映画を作ったジェフリー・カッツェンバーグとかいうオッサンは、今はドリームワークスという別の会社を興したけれども昔はディズニーで働いていたみたいです。それなのにここまでディズニーをクサすということはよっぽどディズニーでイヤな目に会ったんでしょうが、そんなこと僕はどうでもいいですし、いちいちこんなイヤミな映画作らんでいいと思いますね。

 ストーリー自体も特に面白くはなかったですね。ラストが全然好きじゃないんですよ。この映画のように見かけがイマイチの男が主人公だとしたら、僕はそういうヤツが頑張って美女をモノにする話の方が夢があって好きですね。シュレックは真実の愛情や友情を手に入れたんでしょうけど、そんなものはシュレックみたいなイイ奴ならば普通にのんびり生活してても手に入れられるものです。自分とは到底釣り合わない美女を手に入れる方がそりゃ難しいと思いますし、頑張って命からがらの冒険をしたんだったらそれぐらいの見返りがないと割に合わないですね。

 また、この映画が人気シリーズになっている理由としてシュレックのアンチヒーローぶりが大きいと思うんですけど、僕はこいつに特に魅力は感じなかったですね。最初はどんなクセのあるヤツなんだと思っていましたが、特徴といえば自分の見かけにコンプレックスがあることと不潔なことぐらいで、行動も男らしいし性格も優しいしどこにでもいるイイ奴ですよ。まったくキャラが立っていなかったですね。まだフィオナ姫の方がキャラがしっかりしていました。ほとんどの童話では「お姫様」なんてただ守られるだけの存在で個性なんてまったくないですからね。
 
 僕のこの映画の評価は★2です。「2」、「3」、「4」とどんどん続編が作られていってるみたいですが、もうこのシリーズは見たいとは思わないですし、たぶん見ることもないでしょう。

 あと、僕はこういうアニメ映画は日本語吹き替えで見るんですけど、シュレックの声をしているダウンタウン浜田の声は、普通に浜田の声に聞こえてしまいます。これではダメですね。関西弁を使う人を持ってきたのはいいアイデアだと思うんですけどね。


 




<シュレック 解説>

 人里離れた森の中。沼のほとりに、人の骨をすり潰しパンにして食べてしまうと怖れられる怪物がいた。怪物の名はシュレック。しかしこの怪物、本当は優しい心の持ち主。人々が怖れて近づかない森の奥でひとり気楽な毎日を送っていた。そんなある日、森におとぎ話の登場人物たちが大挙押し寄せてきた。彼らは、国を支配するファークアード卿によって無益な存在として追放されてしまったのだ。困ったシュレックは彼らを引き取るようファークアード卿に掛け合い、代わりに囚われの身のフィオナ姫を助け出すことを約束するのだが……。

 

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