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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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さて、千年紀展の話。

梅雨の晴れ間もあってか、すごい人でした。

 

さまざまな名場面の一瞬が描かれた源氏物語図屏風。

どんな時代の人たちも受ける感銘は同じなのだと、

改めて原作の偉大さを感じます。

 

「葵」の車争いは有名ですが、

六条御息所の哀れをはじめて知った一幕でした。

幼なじみの夕霧と雲居雁が結ばれ、「まこと見がいのある朝寝の顔よ」と、

息子を見つめる源氏の親としての横顔もほほえましい子どもの成長ですが、

後年、堅物夫の夕霧が亡き友の未亡人にいれあげて、

嫉妬した雲居雁が背後から近寄って文を奪い取る場面はユニーク。

源氏のまわりにはいない元気なお嬢さんの雲居雁は大好きです。

 

数々の画師の創作意欲を刺激した名場面といえば、

やはり「若菜」の女三の宮と柏木があいまみえる瞬間。

飼い猫が御簾を引き上げてしまったための偶然の恋。

柏木を死に追いやり、のちには不義密通により産まれた薫も苦悩に苛まれた不滅の恋。

老境にさしかかった源氏の最後の劇場は、あまりにも運命的で、

この物語の佳境を飾るに相応しいドラマでした。

 

最後にはさまざまな源氏物語の世界が。

私の読んだ訳本は円地文子なのですが、途中で挫折してしまったんです。

それを救ったのが大和和紀『あさきゆめみし』。

漫画とあなどるなかれ、原作にはほぼ忠実、

歌の解釈を台詞に盛り込んでくれているので、簡単に物語の世界に入っていけました。

藤壺を失った源氏の嘆きには、涙を流してしまいました。

絵柄も丁寧で美しく、雅な十二単の世界は憧れでした。

その『あさきゆめみし』のカラー原画が展示されていました!

はりついて見てしまったのは、言うまでもありません。

 

京都駅に戻ったら、いつものアレ。

相変わらずの行列は、そう都路里。

本日は、伊勢丹限定の《都路里ぶくさ》をいただきました。

クレープ生地の中には、今と昔。

小豆餡とナッツ入りアイスが半分ずつ。ウマイ!

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