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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『オルトロスの犬』

神の手を持った悪魔、悪魔の手を持った善人、

ダムの底に沈んだ隠れキリシタンの村、

国家を巻き込んだ大いなる陰謀・・・。

壮大な風呂敷の割にこぢんまりとしてしまったのは、錦戸君のインフル感染で1週飛んでしまったせいでは決してなく、ひとえに脚本と演出と演技力のせいでしょうね。

逮捕するだのしないのだの、回ごとに主張の違う渚刑事といい、

とってつけたように息子を愛しだす製薬会社の社長といい、

子どもの純粋無垢な姿に心を打たれて次期首相の座を捨てて無所属でやり直す政治家といい、

殺人の罪にさんざんさいなまれておいて結局教職の身に戻っている碧井先生といい、

いきなり家族愛を前面に出す竜司といい、

「ウーン・・・」と唸ってばかりの最終回でした。

アプローチひとつでとても面白くなる題材だと思うのですがね。連ドラではこれが限界か・・・。

佐々木蔵之介のイッてる演技だけが、適材適所なはずなのに浮いていてかわいそうでした。

 

『派遣のオスカル』

『ショムニ』とは時代も斬り込み方も違い、「派遣」というちょっと切ない肩書のOLが会社を相手にオスカルさながらの正義感で立ち向かうお話。

予定調和だけど痛快で爽快な、今どきめずらしい味わいのドラマでした。

毎週出てくるベルばらのシーンにはうっとりでした。勝子が思わず口走ってしまう台詞にはニヤニヤ。オスカルの声がちょっとオバサンぽい・・・と思っていたら、実はアニメベルばらのオスカルの声優の方だとか。ベルばらファンにはたまらんドラマでしたね。

チュート徳井の社長Jrはハマリ役でした。彼に合わせたためか社長役の平泉成まで関西弁になっていたのが不自然でしたが。

『白と黒』の弟が草食系で出ていたのはビックリだなあ。『白と黒』はヒドイ出来だったけど、こちらのほうが断然適役。

会社の買収に暗躍する八代部長、おそらく宝塚出身の女優さんなのでしょうが、キリリとした立ち姿に貫禄がありました。会社から見たら悪いことをしているのだけれど、悪人ではないと信じ込まされる一貫した主張のすがすがしさ。カッコイイ、まさにもうひとりのオスカルですね。

個人的には、田中麗奈のファッションも見どころのひとつでした。あんなに細かったらいいんだけど・・・。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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