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おのづから言はぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行)
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『おひさま』

展開が進むにつれ、太陽はぎらぎらと真夏の強い陽差しに変わりましたが、お話はぽかぽかと春の陽だまりに溶け込むようなやわらかいタッチで終始描かれていました。

朝ドラとは、ヒロイン井上真央のような、毎朝窓から降り注ぐおひさまの光を浴びながら、穏やかな表情で楽しむものなのだな、と。

物語はこれといったドラマ性もなく、戦中から戦後を生きた市井の人々の日記を読んでいるような感覚でした。盛り上がりには欠けたけれど、視聴率の高さを見るに、震災で痛む心を抱えた日本人には、この穏やかさが合っていたのかもしれません。

ただ、「市井の人々」にしては皆人生うまく行き過ぎかな~; 幸せは成功とともにあるとは限らないと思うのですが・・・陽子にしろユキちゃんにしろ、真知子も育子も。幸せであるに越したことはありませんが。『ゲゲゲ』は事実だから受け容れることができたけれど、丸庵があの立地で早々に成功するとはちょっと考えがたいのですがね・・・。

あと、春樹兄さんは生きて帰ってくると思っていました。記憶を失ってしまって・・・と、これでは昼ドラか。でも遺骨ない戦没学生は大勢いましたから、きちんと遺族の悲しみを描く必要があったのでしょうね。

次作の朝ドラは岸和田が舞台。大阪人とはいえど、未知の領域です。尾野真千子の好演に期待です。

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ヤスオーと古都の片隅で暮らしています。プロ野球と連ドラ視聴の日々さまざま。
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